研究課題/領域番号 |
18K00685
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
上田 崇仁 南山大学, 人文学部, 教授 (90326421)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 植民地朝鮮 / 国語読本 / 日語読本 / ラジオ講座 / 新聞での連載講座 |
研究実績の概要 |
21年度、継続して資料の収集及びデータ入力作業を進めた。分析対象の60種の教材のうち、2021年度末に約51%の入力を終え、2022年度末に約75%の入力を進めることができた。まだ入力後のデータの加工作業に至らず、また、テキストマイニングの為に必要なコーディング作業についても検討するべき事項が多数残っている状況である。 一方で、入力作業の進捗に合わせ、単純なデータについては、順次公表を進めている。個人HP(https://koyangyi.wixsite.com/uedalabo)において、植民地朝鮮で使用された『国語読本』の内容データとして誰でも閲覧できるようにした。ただし、本文を漢字かな交じりの現代仮名遣いに変換しての公開の形で、単純にコピー&ペーストで利用できる状況にはしていない。 論文としては、「『日語』と『国語』のはざま-旧韓末『日語読本』が併合後『国語読本』に改訂されたとき、『国語補充教材』は何を教えたのか」『南山大学外国人留学生別科紀要』第5号、単著、pp.19-38.を公開した。この論考は、本科研で行おうとしているテキストマイニングとは異なり、記述を追うことにより、「日語」教育と「国語」教育の違いを検討したものであり、科研での研究における分析の中で、比較する項目の検討に重要な役割を果たすものと認識している。 マイクロフィルムリーダーによる新聞紙面の確認作業も当初の予定にはなかった作業だが少しずつ進めることができている。 最終年度に当たる2022年度は、データ入力の完了を急ぐとともに、2021年度公表した「研究ノート「旧韓末『日語読本』考-KH coderによるテキストマイニング・コーディングルールの検討」、単著、2021年3月、『南山大学日本文化学科論集』第21号、pp.23-35.で議論した内容についてより深く検討し、分析のためのコーディングを決定したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
担当している授業のオンライン授業が継続することとなり、学生からの授業評価等のコメントから改善を試み、その試行錯誤を重ねることが続き、従来の授業の準備により多くの時間を割くようになったことが主な原因と認識している。 また、出張調査ができない状況からの科研費の繰り越しにより、マイクロフィルムリーダーを購入することができたため、手持ちの新聞紙面のマイクロフィルムを確認する作業が進められることとなった。当初の予定には含まれていない作業だったが、よりよい研究成果に結び付けたいため行っている作業である。このように調査範囲が広がっていることも原因と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
単純データの入力については、謝金による入力作業をアルバイトで賄い、分析手法の検討やデータの確認作業、分析そのものに時間を集中させたい。 一方で、オンライン授業の質の向上は常に求められていることから、今後、適切な時間配分、バランスを見出していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大予防のため、出張による資料調査(資料発見のための古書店訪問などを含む)が行えていない。2022年度は特に夏の長期休暇終了までに可能な限り資料収集を行うための出張調査を行いたい。この間、資料について情報をいただいている各地を回るつもりである。 また、データ入力および整理作業にアルバイトを雇用し、円滑な事業推進に努めるつもりである。
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備考 |
個人HP。科研による研究成果のほか、個人の活動について公開しています。
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