大学と連携している近隣連携都市3市の小中学校で、外国にルーツを持つ子ども達にボランティアとして関わっている愛知教育大学の学生達が、子どもの成長を長期的視点で捉えた「乳幼児期から青年前期までの多機関との連携にどのような役割を果たせるか」を明らかにし、一方向からになりがちな連携を、学生の関わりにより双方向の連携の実現を目指した。2022年度は主に下記3点の取り組み(見学ツアー、シンポジウムの実施、リーフレットの作成)を行った。 1点目の取り組みとしては、名古屋ブラジル総領事館見学ツアーの2回の実施である。本学学生(ボランティアを実際に実施している学生と一般学生)と近隣市の学校教育課指導主事と教員、本学教員が参加し、名古屋ブラジル総領事館を訪問し、施設の紹介や副領事から日本在住ブラジル人の現状などについて説明を受けた。 2点目の取り組みとしては、シンポジウムの実施である。昨年度に行ったシンポジウム「多文化共生社会を支えるために~『知る』ことから未来につなげよう~」の第2弾として、2022年度は「多文化共生社会を支えるために Part2 ~自分にできること 自分だけではできないこと~」をテーマとして、「知る」ことで実際に自分ができる何か考え、実行に移すことを目的とした。 3点目の取り組みとしてはボランティア学生募集のためのリーフレットの作成である。実際に学校現場にどのような問題を抱えている子ども達がいるのかを分かりやすく漫画で示したもので、身近に存在する社会的な課題に目を向けることを目的とした。 最終年度としてこれまでの研究成果の分析と最終年度の取り組みの分析を行ったことにより、現状を「知る」ことからより一歩進めるためにはさらなる仕掛けや手立てが必要不可欠であることが明らかとなった。
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