研究課題/領域番号 |
18K00688
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
深見 兼孝 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 准教授 (20173312)
|
研究分担者 |
門田 修平 関西学院大学, 法学部, 教授 (20191984)
迫田 久美子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 客員教授 (80284131)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 実践とフィードバック |
研究実績の概要 |
研究課題としていた1)レベル別(初級・中級)のシャドーイングの実践と効果、2)ニーズ別のシャドーイングの実践と効果、3)アクティブ・ラーニングに基づくシャドーイングの教材開発のうち、1)について初級における実践を、当初設定したペースでフィードバックとあわせて行った。そのための教材として、学習者のパソコンやスマホにダウンロードができるものを作成した。初級の一部のコースでは学習者に対しシャドーインへの態度に関するアンケートを実施、その結果を口頭発表した。その他のコースでも一部シャドーイングの実践を開始した他、各コースで学生にシャドーイングをみずから実践してみることを広く呼びかけ、フィードバックは授業で行う以外にも、これらみずからシャドーイングを実践する学生のための時間を特別に設けて行った。また、言語習得データに基づいたシャドーイングの効果と指導法についての研究を行い、その成果を口頭発表や講演で公開した。シャドーイング力と一般的な第二言語コミュニケーションにおける学習適性の関連に関しても研究を行い、その成果を口頭発表した。3)については、これらの報告や成果や今後の研究成果を取り入れて、国内外の日本語シャドーイング指導者のための指導書の執筆も計画、執筆を開始した。あわせて、2年目からのシャドーイングの本格的な実践に備え、実施を担当する予定の人々に対しシャドーイング研修会(講演とワークショップ)を実施した。なお、シャドーイングの原理と、英語に特化してはいるがその効果と指導法の研究を行い、その成果を英語リスニングに関するハンドブックに反映している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レベル別のシャドーイング実践は、中級では昨年度は実施していないが、新年度に入り既に初級と同じように実践を開始しており、研究の進捗に支障はないと思われる。また、上で述べたように教材も一部開発されており、総合的に見れば、ほぼ予定通りの進捗状況だと言える。
|
今後の研究の推進方策 |
1 シャドーイングによって1)誤って習得した項目を修正できるか、2)読解力の向上に貢献できるか、について調査計画を立てる必要があるが、実験的手法を取るか観察的手法を取るか、できるだけ早く決定、調査を行う。 2 シャドーイング実践の方法とシャドーイング対する心理学的研究を進め、アクティブ・ラーニングに基づいた教材開発につなげる。これについては各々新たに研究分担者を1名ずつ申請した。 3 引き続き、初級・中級でのシャドーイング実践を行い、上記2(場合によっては1も)に関するデータの供給源とする。 4 一定の研究成果が出た場合は、その都度口頭発表や論文の形で公開する。また、研究補助者も交えた研究集会を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者を2名増やす必要が出たため、支出を一部保留した。また、謝金が当初予定より少ない支出となった。次年度使用額は、新たな研究分担者への配分と謝金に当てる。
|