研究課題/領域番号 |
18K00693
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
池田 広子 目白大学, 外国語学部, 教授 (80452035)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ベトナムの日本語教師研修 / ファシリテーター / コミュニティの構築 / 実践を省察する教師研修 / ラウンドテーブル |
研究実績の概要 |
本研究は、東南アジアにおいて「学び合う教師コミュニティ型教師研修(ラウンドテーブル)」を継続的に実施し、教師コミュニティの広がりの中で当該研修に参加する教師と運営側の学びを明らかにすることを目的とするものである。年間サイクルの4年目である2021年度は、研究計画書にしたがって大きく3つの研究活動をおこなった。
1. コロナ禍が続いているため、オンラインに切り替えて、ベトナム(2021年9月)、中国・上海(2021年12月)で「実践を省察するラウンドテーブル型教師研修:実践のプロセスを協働でふり返る―語る・聴くから省察へ」を企画・実施した。本研修の独自性を担保しながらオンラインで実施するために、海外および国内の運営者と検討を重ね、様々な工夫や配慮をおこなった。また、実施後の談話データを収集した。 2. 2019年度にベトナムで実施した当該研修を取り上げ、運営者ら(ファシリテータやコーディネーター)の実践後のデータを対象に、運営者が何に気づき、どう捉えているのか、またどのような意識の変容が見られるのかに着目し、コード・マトリックスにより分析を進めた【研究3】。現在、論文として投稿中である。 3.ベトナムにおける本教師研修と日中両国の特徴で得た知見を比較し、考察することを目指した【研究4】。具体的にはこれまで蓄積したデータをもとに日本・中国・ベトナムの当該教師研修に参加した教師と運営者の特徴やそのフィールドの背景と照合しながら、分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で国内および海外への移動が制限されたため、コロナ禍の1年目は本教師研修の開催を見送った。2年目はオンラインに切り替えての研修を行ったが、ベトナムにおけるデータの収集は遅れている。また、コロナへの対応等で業務が多忙であったため、研究に費やす時間が減少し、データの分析などが遅れた。以上のことから「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度はコロナ禍の状況を見極めながら、オンラインまたは対面形式の教師研修を引き続きおこなう。また、次の3点について研究を進め、その成果を総合的にまとめる。
1.【研究3】2018年以降にオンラインで研修を実施した後の談話データをすべて文字起こしし、ファシリテーターやコーディネータがどのように支援し、何を認識していたのかについて分析を行い、その特徴を探る。また、2019年にベトナムにおいて対面形式でおこなった研修との違いや認識の変容についても着目し、分析を進める。
2.【研究4】については、これまで進めてきた其々の研究から得た知見をもとに総合的に分析する。前回の科研(課題番号:15K02649)で得られた結果(日本・中国における教師研修)と今回のベトナムの教師研修の結果を比較する。具体的には、①参加者教師②運営者(ファシリテーター、コーディネーター)の学びの特徴を特定し、比較によって相違点と各国に通底する特徴を考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:コロナ禍がつづき、国内および海外の教師研修をオンラインで行うことに切り替えたため、当初予定していた渡航費用などの支出に差額が生じた。 使用計画:コロナ禍の状況を見極めながら国内及び海外の当該教師研修を開催し、その開催費用、データの分析費用として使用する予定である。
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