本研究では、日本語母語話者、日本語学習者を被調査者とした講義の談話の理解調査をもとに、ノートの筆記過程、特に、メタ言語表現に関連する内容の筆記過程から観察される講義理解のためのストラテジー、および、講義後の理解テストの結果との相関について分析・考察を行った。その結果、〈評価型総括〉のメタ言語表現が,その総括された内容より先行して現れる方がメタ言語表現に関するノートの記述が多く、理解テストの得点も高かったこと、および、この談話パターンにおいては、評価の対象となる内容に関するノート記述が、メタ言語表現に関する記述に先行して行われる傾向が強かったことなどが分かった。
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