本研究は、永住・定着する就労者としての外国人市民の統合や、社会参加への意識の涵養をより効果的に進める「日本社会適応・定着プログラム」を開発し、実際に試行・評価する研究である。そのために、① 外国人市民のための定着促進プログラムに関する調査を行い、② 外国人市民に対する定着促進を効果的に進めるためのプログラムの開発および試行・評価を行うものであった。 2022年度においては、NGOと連携して外国籍の子どもたちの教育支援に関する実践的研究を行うと共に、ドイツにおけるウクライナ避難民に対する社会定着プログラムの海外調査を行った。また、金沢大学における「ビジネス日本語」履修者に対して、社会活動への参加や子弟の教育に関する質問紙による意識調査(日本に住んでいく上で必要だと思うこと、実際に日本について知っていること、日本語の学習の他でやりたいことなどについて)を行った。 研究期間全般にあっては、ドイツおよび諸外国の統合政策や言語教育・各国事情教育に関する専門書や当該機関の公開資料による文献研究(特に、ドイツの「統合コース」および「オリエンテーションコース」について)、地域で行っている日本語教室の参加者に対しての社会活動への参加や子弟の教育に関する質問紙による意識調査、ドイツ・デュッセルドルフ市での「「統合コース」および「オリエンテーションコース」における実践の調査、ドイツの「オリエンテーションコース」と日本の技能実習生のための研修プログラムの教科書の比較研究、外国籍の子どもたちの教育支援に関する実践的研究を行った。
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