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2018 年度 実施状況報告書

第二言語としての日本語の物語文における発達の普遍的・個別的特徴に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00713
研究機関愛知教育大学

研究代表者

稲葉 みどり  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50273298)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード第一言語習得 / 第二言語習得 / 物語文 / 談話 / アウトプット
研究実績の概要

本研究は、第二言語(日本語)の創造的発話(物語文)に見られる言語発達の普遍的特徴、及び、個別的特徴を明らかにすることを目的とする。そのためには、第二言語の創造的発話産出に関わる心理言語的要因を分析し、中間言語がどのような心的メカニズムにより産出(アウトプット)されるかを解明する必要がある。

中心課題は、創造的発話産出に関わる心理言語的要因として、①母語の関与(正の転移/負の転移)、②目標言語の関与(文法規則の過剰般化/過剰規則化等)、③言語産出のストラテジー(簡略化/回避等)、④個人特性に関わる要因、⑤複合要因(化石化/産出の安定度/言語変異/誤用)の解明である。そして、学習者が言語産出により、どのように中間言語の⑥仮説の形成、検証、認証、修正、棄却を行い、第二言語能力を発達させていくかを検証する。

今年度は、第二言語産出のメカニズムを研究するために、日本人学生(日本語を母語とする者)から、日本語の物語文と英語の物語文の言語資料(書いたもの)を収集した。物語文の収集の方法は、これまでの研究で用いた文字のない絵本を用いて、まず日本語で物語文を書いてもらい、次にその内容を英文で表現する作業を行った。その後、日本語で表現した物語を英文(英語)で表現する際に難しいと感じた点等についてレポートを書いてもらった。このレポートを分析することにより、第二言語の産出の過程において、母語の影響や目標言語の影響、日本語と英語の表現やレトリック等の違いを話者がどのように捉えているかを知る手がかりが得られると考えている。現段階では、学生が実際に書いた日本語の物語文と英文の物語文のデータベース化、レポートの分析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度収集したデータの分析が完了しなかったため。

今後の研究の推進方策

今後は、これまで作成した子どもと大人の第一言語、第二言語資料の分析を進めると同時に、今年度新たに収集した言語資料の分析を進める。また、結果を論文にまとめ、学会発表や出版をする予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度予定していた海外での国際学会での発表を次年度以降にしたため、海外出張の旅費等の経費に差額が生じた。次年度は、国際学会での発表を計画しているので、この予算をそちらに充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日本語と英語の母語の発達過程の比較 -発話数・形態素数・平均発話長の分析-2018

    • 著者名/発表者名
      稲葉みどり
    • 学会等名
      2018年日本認知科学会第35回大会

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公開日: 2019-12-27  

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