研究課題/領域番号 |
18K00720
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
池上 摩希子 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (80409721)
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研究分担者 |
齋藤 ひろみ 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (50334462)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | JSL児童 / JSLカリキュラム / 内容重視(CBI) / 協働的実践 / 教科指導 |
研究実績の概要 |
本研究は2018年度より継続して行ってきた協働的実践研究であるが、新型コロナウイルスの影響により現場に赴いての研究活動は実施できていなかった。2021年度においても状況は大きく改善されず、2020年度に非対面で行っていた活動を継続した。よって、協働的実践の現場である東京都内のA小学校と浜松市の算数科支援教室Bとの関係は継続できており、この点が結果のひとつであり、また、成果でもあると考えている。 A小学校においては、2020年度と同様、研究授業(課題;JSL算数科と日本語指導との連携)の実施は見送ったが、当該校の教員とのメールによるやりとりは続けることができた。支援教室Bにおいては,実践をリソース集として集約する作業をオンラインで実施した。これは、2020年度には見送らざるを得なかった、支援者に対する支援と研修を兼ねた作業である。当初は8月に対面で集中して行う計画で日程と場所を確保したが、状況を鑑み、オンラインによるものとした。また、11月には「教科学習を通して身に付く『ことばの力』」と題して、対面で講義と研修を行うことができた。 A小学校での校内研修、また、日本語指導と通常学級での指導の連携を探求する課題も継続されており、対面で活動できるようになるまで関わりを継続することを目指している。支援教室Bの状況も同様であり、2022年度の研修の予定も確保できている。最終的には,協働的実践の成果をプロダクツとしてまとめること、教育現場との協働の進め方そのものを記述し,実際と課題をまとめることが研究として求められる。2021年度にはかなわなかったが、2022年度には達成できるよう、進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度、2019年度と取り組んできた「支援教室Bで集約した活動事例集の正規出版」に向けて引き続き取り組んできたが、新型コロナウイルスの影響により、予定していた研究出張は実施できず、対面による内容確認が進まなかった。しかしながら、オンラインで確認作業が行えたことにより、「研修を経て改訂していく」という目標とともに、データ化した事例を改訂することはできた。それらは現在、出版に向けた原稿といえる段階にあるので、2022年度を最終年度とし仕上げていく。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までと同様に、進捗状況に遅れは見られても計画自体を大きく変更する必要はないと考え、教育現場との良好な関係を基盤に,持ち越した課題を遂行に向けて進めていく。A小学校での共同研究を継続しつつ、支援教室Bの事例集をかたちにすることも前年度までと同様の進め方とする。最終年度には事例集を成果のひとつとして発信したうえで、ふたつの現場から得られた知見を統合して,教育現場との協働の進め方そのものを記述して発信する。B支援教室に関しては,オンライン環境を確保するのは難しいと認識していたが、未だ紙媒体でのやりとりが中心ではあるものの、オンラインによる研修も実現できた。支援員個々人のスキルアップに加え、周囲からの支援も得られたことが理由であり、今年度も必要に応じて利用できると考える。一方で、A小学校との共働はオンラインでは難しいとわかったので、コロナの状況を見ながらにはなるが、現場に出かけていくことを試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
引き続き、新型コロナウィルスの影響により、教育現場に出かけることができず、予定していた研究出張の7割以上を中止とせざるを得なかった。それに伴い、ここまで継続してきた文字化やデータ化の作業にも遅れが出た。よって、研究計画そのものは中止ではなく、年度を越えて時期を延ばして完成を目指すこととした。2022年度においても計画した目標達成を目指して研究活動を行うために、2021年度交付分の助成金を使用する。
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