研究課題/領域番号 |
18K00724
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
康 鳳麗 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (30399034)
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研究分担者 |
森脇 健夫 三重大学, 教育学部, 教授 (20174469)
坂本 勝信 常葉大学, 経営学部, 准教授 (40387501)
小西 知代 国際教養大学, 国際教養学部, 講師 (60813920)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日本語教師 / 熟練性 / ライフヒストリー的アプローチ / 目標の多層化 |
研究実績の概要 |
本年度は主に、日本語熟練教師の熟練性を個別事例研究として「目標構造の多層化」の観点から分析することに集中した。台湾における日本人日本語教師の協力を得ながら、大学における授業の分析、さらに授業の特徴点について授業者との対話、また授業の特徴の形成過程についてのライフヒストリーインタビューを行った。 その結果明らかになったことは、授業者が単に日本語の学習を進めるということだけではなく、台湾の学生の実情に即しながら、日本語を使う場面を想定し、その中で必要なコミュニケーション能力をつける、という目標も同時に達成しようとしていたことである。また、台湾人の青年としての成長も願っている。 その「目標構造の多層化」は、台湾の大学の日本語教師として経験を重ねる中で獲得してきたものであることも明らかになった。こうした熟練教師の資質・能力の獲得は、教師の力量形成として、校種や教育環境の違い、学習者の違い(発達年齢)を超えて共通するものがあることを、事例としては極端に違う事例(公立小学校教師)をとりあげることによって明らかにした。両者とも、授業の目標構造は単層の構造ではなく、少なくとも三層構造(授業の目標、教科や教育内容の目標、人間形成としての目標)を認めることができた。そして目標の多層化の契機は、教師経験の中での経験に由来することもライフヒストリーインタビューの中で明らかにされた。 なおこの研究の成果は、康鳳麗、森脇健夫が中部教育学会で報告し、鈴鹿医療科学大学の大学紀要論文(康、森脇、坂本、小西、工藤(台湾)ほか連名執筆)として上程された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究実績の概要で述べたように熟練教師の個別事例研究を行った。研究業績につながった研究事例としては少ないが、将来の布石としての事例研究を含めて、いくつかの事例研究に着手できた。さらに熟練性の指標としての「目標構造の多層化」仮説を事例研究によって検証し、確度を上げていく、という課題についても一定の実績をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、個別事例研究を継続的にすすめ、さらに初任期教師の事例研究にも着手し、熟練教師との比較対照ができるように研究をすすめていきたい。さらに、日本語教育という分野だけではなく、熟練教師一般についても「目標構造の多層化」仮説が援用可能なのかという点についてもいくつかの事例研究をすすめていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
科研費を利用した研究のための出張の日程がぎりぎりになるまで調整がつかず、渡航費等にどのぐらいの費用が必要かが予測できなかったため、本来ならば出張前に必要であった、研究に必要な文献や資材等の購入を控えていた結果、余剰金が出る結果となってしまった。2018年度に購入できなかった文献や資材を2019年度に購入する予定である。
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