研究課題/領域番号 |
18K00724
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
康 鳳麗 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (30399034)
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研究分担者 |
森脇 健夫 三重大学, 教育学部, 教授 (20174469)
坂本 勝信 常葉大学, 経営学部, 准教授 (40387501)
小西 知代 国際教養大学, 国際教養学部, 講師 (60813920)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日本語教師 / 熟練性 / ライフヒストリー的アプローチ / 目標の多層化 |
研究実績の概要 |
今年度は、前年度の台湾人中堅日本語教師の力量形成研究に引き続き、今年度は、天津外国語大学の二人の中国人日本語教師の授業参観及びライフヒストリーインタビューを行った(2019年12月)。二人の中国人日本語教師(Dさん、Hさん)については、十年以上にわたって新任期から継続的に参加、観察を行ってきた。新任期から中堅期にかけて、両氏とも日本において博士号を取得し、学内でも重要な任務を任されるようになった。教師としての経験も積み、それぞれに授業スタイルを構築してきている。初任期から中堅期にかけてのそれぞれの授業スタイルの確立について、事例研究としてまとめる準備をしている状況である。 さらに2020年3月に、成都理工大学においてKさん(中堅教師)の事例研究をする予定であったが、新型コロナウイルスの影響で実施することができなかった。なお、今年度の実績としては、中部教育学会(2019年7月6日 朝日大学)の自由研究において前年度に授業の参加観察およびインタビューを行ったZさん(台湾)の個別事例研究を報告した。Zさんの事例研究も3年間にわたる授業の参加観察およびインタビュー記録の整理、及び考察が基軸となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 本年度は、研究実績で述べたように、中国における中堅期日本語教師の事例研究を進めることができた。これまでの事例研究とは異なり、十年以上にわたって、教師としての力量形成の過程を追ってきているので、これまでの事例研究に比してより実相に迫る事例研究が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの影響で、成都理工大学へのフィールドワークを延期せざるを得なかった。収束状況にもよるが、ぜひ今年度後半期には、成都へのフィールドワークを実現し、より中堅教師の成長を多面的に明らかにする事例研究を行いたい。 中堅期は、初任期と熟練期のはざまにあって、その移行過程ともとらえられがちだが、私たちの事例研究では、中堅期は教壇経験をはじめ、教務経験や留学経験(研究経験)の中で自分の授業スタイルを構築していくきわめて重要な期間であることが明らかになった。事例研究を積み重ねる中で、中堅期の意義を明らかにし、初任期から熟練期への重要な橋渡しの時期としてその意義を明らかにしたい。そしてその結果をもとに初任期から熟練期への教師の観の変容と授業スタイルの確立をそれぞれの教師のライフヒストリーとして明らかにすると同時に、そのダイナミクスを明らかにしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で、2020年3月に予定していた成都理工大学へのフィールドワークを延期せざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。収束状況にもよるが、2020年度後半期には、成都へのフィールドワークを行い、その際に旅費として使用する予定している。なお、本件に関して研究協力者から了承が得られている。
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