研究課題/領域番号 |
18K00727
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
本橋 美樹 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (80411560)
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研究分担者 |
石澤 徹 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (00636095)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日本語教育 / 第二言語習得 / 音声 / 文字表記 |
研究実績の概要 |
本研究は、学習者がどのように日本語の音声(特に習得が難しいとされる特殊拍と拗音)を認識しているかを文字表記による書字情報という先行研究になかった観点から検証する。具体的に以下の点を調べる。(1)同一の学習者から聴取、発話、表記のデータを収集することにより、学習者は文字表記による情報を音声的な情報とどのようにマッピングできているかについて検証する。(2)文字表記による情報がある場合と無い場合に音声習得に違いがあるか、縦断的にデータ収集することにより文字表記は音声習得を促すか明らかにする。 22年度は、関西外国語大学に留学中である初級日本語学習者約30名からデータを収集した。調査の流れは①プレテスト(聞き取りテスト)を行い、 ②3週間のトレーニング(日本語の音の単位とひらがなの対応を明示的に説明したレクチャーと練習を10分、週2回)その後③ポストテストを行った。テストでは、同じ単語(例、しゅくだい)の書き取り(文字データ)、ディクテーション(聴取データ)、読み上げ(発音データ)の3種類のデータを収集した。その結果、以前のパイロットスタディの結果同様にディクテーションテストを通して聴取の向上が見られた。しかしながら、向上が見られず習得が難しいと思われる組み合わせ(拗音と長音)も明らかになった。引き続き、その難しさの要因とレクチャーの方法の改善を精査していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
22年度から留学生受け入れが再開され、予定通りデータ収集もできたが、それ以前、データ収集ができなかった間の遅れが取り戻せていないため、この判断となった。
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今後の研究の推進方策 |
22年度に収集したデータの内、聴き取りデータの分析はしたが、発話データの分析が終わっていないので引き続き行う。また、さらにデータ収集を行う。夏季休業期間内にデータ分析を行い、その結果を基に秋からのデータ収集の方針を決める。最終報告をまとめるため、すべてのデータについて纏める。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会や打ち合わせ出張等、予定通り行えなかった。また、データ収集の謝金充当分も未使用分として残った。 引き続き、データ収集のための経費と実験参加者への謝 金として使用する。 また、研究成果報告のための投稿、学会参加の経費としても使用する。
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