研究課題/領域番号 |
18K00729
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
宮本 恵美 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (80623511)
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研究分担者 |
馬場 良二 熊本保健科学大学, 保健科学部, 研究員 (30218672)
大塚 裕一 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70638436)
小手川 耕平 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40832001)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 多義性 / 動詞 / 格助詞 / 失語症者 / 日本語学習者 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、昨年度、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて不足していた失語症の被験者数を数名増やすことができ、再度、動詞の理解力を親密度からの意味分類を導入した多義性の視点から分析した。結果,軽度から中等度の失語症者における多義語の動詞の理解力には階層性があるという事をより強めることとなった。また、格助詞の習得法の開発については、格助詞「ガ」「ヲ」「デ」「ニ」の評価及び各格助詞の意味用法別の練習課題について、再度、設問の不自然さ等を排除する再調整や課題文の場面を想定する事前文を追加し、その内容についても再検討を行った。そして、その課題を日本語学習者及び失語症者、各20名に対し実施する予定であったが、当該年度も、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、対象となる被験者が予定よりも極端に少ない状況であった。 そのような中で、日本語学習者では、有意差こそ認められなかったものの、練習実施の前後の比較で、特に格助詞「デ」については、成績の向上が認められた(格助詞「デ」 練習前76.3%正答→練習後88.8%正答) 本年度もコロナウィルス感染拡大予防を講じつつ、被験者数を増やし、継続して動詞及び格助詞の評価課題及び訓練課題を実施する。そして、その結果をもとに、失語症訓練や日本語教育のモデル化と検証を行っていく予定である。また、昨年度、一定の見解を得ることができた「失語症者に対する多義性の視点を用いた動詞の評価」については、現在、論文の投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の被験者は、海外からの留学生や病院に入院・通院している失語症者の方である。一昨年からの新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、被験者の協力が得られにくい環境であったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度も新型コロナウィルス感染拡大を受けて、昨年度に引き続き、協力していただくことのできる被験者が少ない状況であった。本年度も日本語学習者に関しては、研究協力者(日本語教師)と早期から連携を取りつつ、研究遂行にあたって十分な感染対策を講ずることで対象となる被験者が安心できる環境を整えていきたいと考える。また、失語症者に関しては、病院だけではなく介護福祉施設に勤務する言語聴覚士の研究協力者を増やすことで被験者数を確保し、継続して動詞及び格助詞の評価課題及び訓練課題を実施していきたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年同様、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、データ収集の遅れが生じ、予定していた学会発表の機会が無かったため次年度使用額が生じる結果となった。令和4年度は、不足しているデータ収集と研究成果の報告のために残金を使用する予定である。
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