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2022 年度 実績報告書

失語症者と日本語学習者に対する動詞及び格助詞の習得法の開発~双方の特徴を生かす~

研究課題

研究課題/領域番号 18K00729
研究機関熊本保健科学大学

研究代表者

宮本 恵美  熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (80623511)

研究分担者 馬場 良二  熊本保健科学大学, 保健科学部, 研究員 (30218672)
大塚 裕一  熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70638436)
小手川 耕平  熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40832001)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード意味用法 / 多義動詞 / 日本語学習者 / 失語症者 / 格助詞
研究実績の概要

研究期間全体を通して、日本語学習者と失語症者を対象に動詞や格助詞の習得に対して「聴覚的把持力」「単語親密度」「意味用法」などを考慮した教材・習得プログラムの教育効果を明らかにすることを目的として研究を行った。
動詞については、多義動詞が持つ意味を、なじみの深さで高親密・中親密・低親密に分類し評価及び練習課題文を作成し実施した。評価の結果、日本語学習者は高親密語と低親密語の間に、失語症者は高親密語と中・低親密語との間に有意な差を認め、単語親密度に配慮した教育法の確立の必要性が示唆された。以上の結果を元に「聴覚的把持力」「単語親密度」「意味用法」などを考慮した練習課題を作成し実施した。結果、訓練前後の比較で日本語学習者・失語症者ともに一部を除いて成績の向上を示したが、統計学的に有意な改善は認められなかった。
令和4年度は昨年度に引き続き格助詞「ガ」「ヲ」「デ」「ニ」の評価課題及び意味用法別の練習課題を実施した。練習は、課題文(例:僕は映画が大好きだ。日曜日_映画に費やした。)を提示後正しい格助詞を記入させた後、文全体の意味を考えながら、複数回音読する方法で実施した。結果、日本語学習者は、格助詞「ヲ」「デ」「ニ」で成績の向上を示し、課題練習前後の比較で有意に成績向上が認められた(日本語学習者:ヲ75.6%→85.0%、デ71.5%→80.2%、ニ73.2%→74.7%)。一方、失語症者は課題前と比較して格助詞「ヲ」「デ」「ニ」の成績は向上していたが統計学的な有意差は認められなかった。以上のことから、日本語学習者にとっては、聴覚的把持力、単語親密度、意味用法を考慮した格助詞の練習方法は有効であることが示唆された。今回の方法は失語症者にとって有効性を認めなかったが、一日の課題数や練習期間、音読回数など再検討し、引き続き有効な格助詞習得の練習課題について検証を行っていきたいと考える。

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公開日: 2023-12-25  

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