研究課題/領域番号 |
18K00731
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
布施 悠子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (70782598)
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研究分担者 |
石黒 圭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (40313449)
野山 広 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 准教授 (40392542)
迫田 久美子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 客員教授 (80284131)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日本語教育 / 中国人学習者 / コーパス / 作文 / 縦断研究 / カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究は、中国人日本語学習者の言語習得過程の中で起きた変容の実態を取り入れたカリキュラムやシラバスの構築、誤用や学習の困難点の解決方法を取り入れた教材や教授法の開発を行うことを目的としている。 そのため、まず、中国国内の大学の日本語学科に入学した大学生の言語習得過程を4年にわたって追跡してデータ収集し、そのデータをもとにコーパスを作成している。2018年度は、2015年度から始まったデータ収集を継続して中国で実施した。なお、コーパスのデータ収集は2019年度にすべて終了する予定である。 また、2015年度から2018年度に収集したデータについて、現在文字化およびアノテーション付与作業を続けている。現状として、2015年度、2016年度、2017年度に行った調査は、文字化作業とアノテーション付与の第二次チェックまで完了している。2018年度の調査のデータは、現在第一次の文字化作業とアノテーション付与の作業中である。なお、このデータの公開は、2020年度末を予定している。 上述のコーパス作成と同時に、オンラインシステムでの作文データも収集しており、2015年度から2018年度までに全11回中、10回終えている。こちらはデータ整理し、テキストファイルと形態素解析を行ったCSVファイルとしてデータを蓄積し、研究できる状態となっている。なお、作文のデータ収集も2019年度にすべて終了する予定である。 研究成果発信の実績として、コーパスデータに関しては、第一次チェックの終了したデータを用いて、1件の国立国語研究所における公開シンポジウムを行った。一方、作文データに関しては、2件の国内学会での発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集したデータについて、コーパスにおいては第一次の文字化やアノテーション付与が当初の計画通り行えており、第二次チェック作業にも部分的に着手できている、また、作文データにおいても、形態素解析まで行ったデータを整備できているため。そして、コーパスと作文データを利用した研究成果の発表をそれぞれ行えたため。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、中国での調査をすべて完了し、コーパスについては、第8回までのすべてのデータの第2次チェックまで終了する予定である。作文データについても、すべて調査を完了させ、形態素解析まで終了したデータを研究に対応できるレベルまでに整備する予定である。また、国内学会での発表、および海外での研究成果発表も行うことになっている。 2020年度は、コーパスに関しては、公開に備え、個人情報の匿名化・音声処理などを施す予定である。また、作文データに関しては、作文執筆のプロセスのアノテーションを付与を行うことを予定している。そして、変容の実態を取り入れたカリキュラムやシラバスの構築、誤用や学習の困難点の解決方法を取り入れた教材や教授法の開発を取り入れた、論文集を日本語と中国語に対応させた形で出版する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
文字化およびアノテーション付与に関する作業が2018年度から年度をまたいで2019年5月に終了する形で作業員に依頼をしたため、支払が2019年度に繰り越す形となった。そのため、2018年度からの繰越金は2019年度に作業員への謝金として支払完了する予定である。
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