研究課題/領域番号 |
18K00734
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
松浦 浩子 福島大学, 経済経営学類, 教授 (70199751)
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研究分担者 |
千波 玲子 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (10227332)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | GELT / 中学校英語 / 理解度 / 受容態度 |
研究実績の概要 |
本研究は、GELT(Global Englishes Language Teaching)理論にもとづき、世界の様々な英語変種を教室に導入するのに適した英語習得時期について考察することを目的としている。令和2年度は、15種類の変種を使用した授業を、初級学習者が大半を占める中学校で実施し、その効果を音声理解度と受容態度の両側面から検証した。 具体的授業内容は以下の通りである。 (1) 参加者は、2段階習熟度別クラスの上位クラスに所属する中学3年生75名。 (2) 無料公開されている英語学習サイトELLLO(English Listening Lesson Library Online) から選んだ動画を活用した授業を、3か月間に15回実施した。 (3) 授業の中では、15変種による動画を視聴しながら、音声の聞き取り練習や動画トピックに沿ったディスカッション等の活動を各回15分程度行った。 学習効果を見るため、事前・事後調査を実施した。本研究では、5種類の英語変種の音声パッセージを参加者に呈示して、主観的理解度を9件法で、直接的理解度をクローズ・ディクテーションで、受容態度をリカート・スケールで測定する方法を採用した。事後、アメリカ英語とそれに似た発音のフィリピン英語の主観的理解度が高まり、ディクテーションでは全5変種において得点が有意に上昇した。ELLLOの英語変種に触れる間に、アクセントのある英語に対する耐性や内容を聞き取ろうとする意欲が自然に身についたものと思われる。一方、受容態度については有意な変容は見られなかったが、これについてはアンケート項目の立て方に起因していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は、世界の多様な音声英語を使用した授業を英語習得段階の異なる中学生と大学生グループを対象に実践し、その効果を音声理解度と受容態度の2つの観点から分析する予定であった。これにより、多様な英語アクセントに触れ始めるのは、一定の英語力を身に付けた大人、もしくはより若い学習者のどちらが適しているのか、について明らかにすることを目標に掲げていた。しかしながら、中学生の授業実践は行ったもののの、大学生については諸般の事情から実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、前年度の中学生対象の教育実践と同等の目的の授業を大学生を対象として行い、音声理解度と受容態度の両側面から学習効果について分析する予定である。これにより、世界の多様な英語を導入するのに適した英語習得時期についてさらに検証することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内及び海外で開催される学会大会で研究成果の発表を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、各大会が中止または延期となった。これにより旅費の支出がなくなった。さらに、大学生を対象とした教育実践を令和3年度に延期したことにより、研究に使用する英語学習サイトWEnglishesの保守点検・サポート料が低く抑えられた。 残額については、WEnglishesサイトのサポート経費にあてるほか、あらたな統計分析機能が追加されたSPSS version 27を購入経費として支出する。また対面での学会大会や研究会が再開された際には、旅費として支出する予定である。
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