研究課題/領域番号 |
18K00736
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
滝沢 雄一 金沢大学, 学校教育系, 教授 (00332049)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校英語 / 教員養成 / 言語教師認知 / 質的研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、近年発展しつつある第二言語教師教育研究における教師認知研究の動向を踏まえ、 (1)小学校教員養成課程にある学生は、英語科の指導に関してどの ような信念に基づいて授業計画を作成するのか、また、(2)その信念の形成に過去の学習者としての経験、教育実習、講義経験はどのような影響を与えている か、さらに、(3)講義や教育実習を通じて英語科の指導に関する信念がどのように変容するかを、質的研究方法により明らかにすることを目的とする。 2020年度においては、上記の目的に沿ったデータ収集が主な実績である。まず、(1)教育実習期間中、最初に担当した英語の授業および最後に担当した英語の授業の観察を行った。そして、各授業実施直後、どのような信念に基づいて授業計画を作成したか質問紙による調査を行った。また、教育実習終了後 に、実習期間中の最初および最後に担当した英語の授業について、質問紙の回答に基づきながらインタビューを行った。より信頼できるデータを収集するため に、インタビュー時には、学習指導案、観察時に記録したフィールドノーツなどを併用した。(2)講義の最終回に課した授業計画作成課題についてどのような 信念に基づいて作成したか、質問紙による調査およびインタビューを行った。(3)毎講義の終了時に振り返りシートの記入を行わせ、データとした。以上 (1)~(3) を通じて、データ収集を行った。総合的な分析・検討は2018,19年度に収集したデータと合わせ2021年度に実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度の主目的はデータ収集であったが、調査協力が得られた学生があまり多くなく、当初期待していたデータが収集できなかった。また、コロナ感染症拡大防止のために、教育実習期間が2週間のみとなったため、他年度との条件において異なる部分が生じていることから、より慎重なデータ分析が求められるため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ感染症拡大の状況は続いていることから、教育実習期間についての不安要素はあるものの、21年度は調査協力が得られる学生が一定数見込まれるため、データ数についての課題は改善できる見通しである。引き続きデータ収集を進める予定である。また、得られたデータ は非常に多様な結果を示す可能性が高いと思われるため、慎重に検討を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度においては、前年度繰越に加え、旅費、謝金、その他について必要額が当初の計画より下回ったため、残額があった。旅費は学会が中止されたり、オンライン化されたため。また、謝金は調査協力者数が東書の予定を下回ったためである。これら残額については、2021年度において必要となる物品等消耗品の購入、学会等における資料収集のための旅費、調査協力者への謝金に使用する予定である。
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