研究課題/領域番号 |
18K00743
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
片山 圭巳 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (00582371)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 音声言語処理 / 第二言語習得 / 音声知覚 |
研究実績の概要 |
本研究では、第二言語学習者(日本人英語学習者)がどのように第二言語を処理し、理解しているのか、またその分節方法が習熟度によって変化するのかを調査した。日本人学習者は英単語を聞き取るときにモーラを用いて単語を分節しているのか、また英語の習熟度が上がると、モーラ分節から音節分節へと変化するのかを調査することにより、日本人母語話者のモーラ単位による言語処理仮説を検証し、異なった英語習熟度の第二言語学習者の分節方略を調査することで、言語処理能力の発達を検証した。 本研究目的を達成するため、3つの探知課題を日本人英語上級話者16名、英語初中級学習者16名、および英語母語話者16名に行った。探知課題1では、子音母音(CV)および子音母音子音(CVC)からなる英語の単音節語を目標単語として(音声提示)、2音節からなる語境界が明白な無意味語と曖昧な無意味語に埋め込み、どちらの音節構造の単語をそれぞれの文脈で速く正確に分節できるかを調査した。探知課題2では、モーラ分節仮説を検証するため、日本語の特殊拍である鼻音(N)を持つ目標単語を、CVCNとCVCNCを目標刺激単語として、語境界の明白な場合、曖昧な場合でどちらを速く正確に分節できるかを調査した。探知課題3では、文字(ローマ字)の影響を検証するため、探知課題2と同じ研究方法で、目標単語の提示を音声のみで調査した。 2019年度は、予備調査の結果を国際学会New Sounds(早稲田大学)で発表した。また、本調査の成果発表を、2020年度の国際学会(ISBPAC2020, オランダ)で行う予定だったが(査読審査通過済み)、学会開催がコロナウィルス感染防止対策として延期となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備調査の研究成果を国際学会(New Sounds, 早稲田大学)で発表した。また関連調査結果が、全国英語教育学会学術誌(ARELE31)の査読を通り、掲載されることとなった。2020年度にオランダで開催される国際学会(ISBPAC 2020)の査読が通り、成果発表する予定であったが、コロナウィルスの影響で開催が無期延期となった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、本調査の論文執筆活動に従事し、論文を国際学術誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた国際学会が、日本国内(東京)で開催されたため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と併せて、2020年度は別の国際学会の参加費、旅費、および論文に係る掲載費等に使用したい。
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