研究課題/領域番号 |
18K00749
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
岡田 圭子 獨協大学, 経済学部, 教授 (90316274)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 英語教育 / 高大連携 |
研究実績の概要 |
本研究は、英語教育における高大連携のありかたを考えるものである。2018年度から、英語に苦手意識を持つ高校生が多く在籍する私立高等学校をフィールドとし、担当する教員2名と協働して、高校生がコミュニケーションしたいという主体的な意識を持って英語学習に取り組み、大学や社会とのつながりを求めることのできる「望ましい自己」に近づくこと、そして彼らを指導する教員が教育力を向上させることを目指してきた。これは、多くの文脈で用いられている高大連携の意味(すでに実力や知的興味をそなえた高校生を早い段階から大学と結び付けて教育の場を提供すること)とは異なるが、異なる視点からの高大連携のかたちを提案するための研究である。この高校が地方都市にあることから、2018年度はおもに週末を利用しての出張、2019年度は筆者が本務校から学外研修の機会を与えられたことから、毎月1週間程度の訪問が可能となり、高校教員との話し合い、高校生への聞き取り調査などを進めることができた。また、学会でも発表し、2019年度末には高校生のためのリメディアル教材をある程度整えることができた。
しかし、2020年度は新型コロナウィルスの拡大により、フィールド校のある地方都市への出張がままならなくなり、また、当該高等学校も学校閉鎖が続くこととなった。そのため、定期的に担当教員とインターネットを介して打ち合わせを行い、お互いのモチベーションの維持と今後の打ち合わせをすることでプロジェクトを維持した。発表が受理されていた国際学会もコロナ禍でキャンセルとなり、非常に残念な1年間となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症が拡大し、フィールドとなる高等学校が閉鎖され、再開後も短縮授業やオンライン授業等、変則的な形での授業を実施していたため、教室で行うことを想定していた生徒対象のアンケートや聞き取り調査を行うことが難しかった。また、研究対象としていた学年が卒業したため、新たに1年生との関係づくりを始める必要があった。2021年度も実際に学校訪問をする機会はなかなか実現しないと思われるため、今まで以上に担当教員とのオンラインでの協議を密に行い、手法に修正を加えつつ研究を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の影響で2020年になってからの研究が難しくなり、予定していた3年間では取りまとめが困難であると判断し、1年間の延長を申請して認められた。2021年度が最終年度となるが、高大連携の研究はコロナ禍においても中断されてはならず、かえってこのような状況であるからこその高大教員の協働が貴重な資料となるはずである。2021年度はこの3月に卒業した生徒の進路や意識などを分析し、彼らが1年生であった時に実施した意識調査と、あらたにこの4月に入学した生徒への意識調査の比較を行う予定である。さらに、すでに完成している高校生のためのリメディアル英語教材を実際に使ってもらい、高校生と指導教員の反応を分析したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の拡大によりフィールド校への出張や調査が実施できず、研究期間を1年延長した。そのため、次年度使用額が生じた。2021年度は感染状況に配慮しながら出張計画を立て、ホームページの構築や教材の整備を進めていきたい。
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