研究課題/領域番号 |
18K00754
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山口 有実子 東海大学, 国際教育センター, 准教授 (10624041)
|
研究分担者 |
宇佐美 裕子 東海大学, 国際教育センター, 准教授 (20734825)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 外国語教育 / 処理可能性理論 / 普遍的発達段階 / CEFR / 学習者コーパス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、代表的な第二言語習得理論として注目されている処理可能性理論 (Processability Theory, Pienemann, 1998; 2005; Bettoni & Di Biase, 2015)で予測される普遍的発達段階と、近年の語学教育現場においてCan-Do チェックリストや評価ルーブリックの作成などに幅広く用いられているヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages; CEFR)レベルとの関連性解明である。 申請者は、過去の科研費によって構築した日本人英語学習者の口頭と筆記のナラティブデータによる学習者コーパスの拡大を目指すと共に、各学習者のスピーキングとライティングにおける文法発達段階を処理可能性理論をもとに分析し、専門家によるCEFRレベル評価の結果と比較することによって、日本人英語学習者の文法発達段階とCEFRレベルに関係があるかどうか、またその関係において、スピーキングとライティングで違いが見られるかどうかの解明を進めている。 2020年度はコロナ禍に見舞われ、新たなデータ収集などを進めることが難しい状況であったため、遠隔会議によって海外研究協力者から専門的知識の提供を受けながら、これまでに構築してきた日本人学習者のナラティブコーパスデータを再分析し、CEFRレベルとの比較分析結果について、遠隔開催された国際会議での発表や、専門ジャーナルへの論文発表につなげることが出来た。 また、海外協力者が収集したオーストラリア在住の日本人英語学習者データと中国人英語学習者データとの比較も試み、初期段階の研究成果を国際学会にて発表し、専門ジャーナルへの投稿を目指している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、コロナ禍によって国内外での研究活動が制限されたため、新たなデータ収集や国際学会への参加などは叶わなかったが、海外研究協力者とは遠隔会議を重ねがら、これまでに構築した学習者コーパスをもとに新たなデータ分析を進め、リモート開催された国際学会での発表や論文執筆に繋げることが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度に着手した新たなデータ分析を進め、日本人英語学習者のSpeaking, Writing両方における統語構造と形態素構造の発達段階をまとめて、CEFRレベルとの関連性についての考察を深めていく。 また、申請者がこれまでに構築してきた日本人英語学習者コーパスと、海外研究協力者が構築したオーストラリア在住日本人英語学習者および中国人英語学習者コーパスを用いた比較分析を更に進めて、母語やデータ収集方法の違いが処理可能性理論に基づく文法発達段階にもたらす影響についての検証結果をまとめていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、コロナ禍により、参加を予定していた国内外の学会が全て延期もしくはリモート開催に変更となったため、計画していた旅費を使用することが出来なかった。 次年度は、国際学会への出席および研究論文発表や海外研究協力者との打ち合わせのための外国出張旅費、データ分析および論文執筆のための図書資料などに使用する予定である。
|