研究課題/領域番号 |
18K00757
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研究機関 | 横浜商科大学 |
研究代表者 |
東本 裕子 横浜商科大学, 商学部, 准教授 (00761793)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自己効力感 / L2 self / 動機付け / 言語の話者への影響 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、学習者の自己効力感を英語力と共に向上させる、という観点からの英語教育法を探るため、勤務大学の海外短期英語研修(アメリカの海外提携校における英語・異文化体験研修)の参加者、必修英語の履修者を対象に調査を行った。また本年度より開講した選択科目、英語開講講義(海外から見た日本文化理解と英語コミュニケーション)(異文化コミュニケーションと実践英語)の履修生も調査対象に含め、講義の一環として引率したTokyo Global Gatewayにおける実践の観察も行った。さらに、結果的にはコロナの影響で研修自体は中止となってしまったが、今年度より始動したオーストラリア海外短期研修の参加学生にも、事前授業と研修を通した英語力とinternational awarenessの変化を測るため、音声録音調査を行い、書き起こしを行った。 研究においては特に、英語へ苦手意識を持っている学生や自分の将来に特に英語を必要と感じていない学生に対し、実利的な英語の位置づけとは別に、英語を使用することによる新しい自己像の獲得という言語アイデンティティ教育的なアプローチを英語学習の取り組みへの動機付けに活用することを目指した。英語力の推移と、英語学習への意欲や動機の変化、また異文化に対する心持ちや自己効力感の変化等の調査結果を分析し、国内外の学会で発表すると共に論文に纏めた。 さらに、社会人を含む273名の日本語、英語二言語使用者に対し、両言語を使用する際の心持ちや感情表現の変化、また英語で表現する自己像の位置付けに関してアンケート調査を行った。分析結果を発表予定であったPsychology of Language Learning国際学会はコロナのために2020年6月の開催は中止となり、現時点では2021年6月に延期開催が決定しているため調査結果を発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学生の英語力と自己効力感の変化や関係性を調査するために、2つの海外研修(アメリカ研修・オーストラリア研修)の参加学生を調査の対象としていたが、コロナの影響で2019年度のオーストラリア研修が中止になったため、調査が中断してしまった。 また2020年度に引率を予定していたアメリカ短期研修中止や、これまでの結果を発表する予定であった2020年6月のPLL4 Psychology of Language Learning 4 Conference in Canadaの中止が決定されたため、予期せぬ事態による研究の調整を行っているところである。 2019年度夏のアメリカ研修に参加した学生に関する結果は分析を済ませ、国内の学会での発表と共に論文執筆も順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書にあるように、二言語習得に関する調査と分析を進めると共に、前年度に引き続き、学生の英語力と共に自己効力感の向上を目指す英語教育法を探る。 2020年度は予期せぬコロナの影響で、講義が全てオンラインの遠隔講義となるため、学生同士のクラス内、学内での交流は困難になるが、一方でオンラインの強みともいえる、他者の目をそれほど強く意識し過ぎなくても良い環境での教員と個別に、あるいは少人数で英語で会話を行う機会等も生まれると思われるため、それらを前向きに活用し、学習者が英語による表現活動を通して新しい自己像を構築し、英語力と共に自己効力感を伸ばせるような英語指導法を確立する機会に繋げるよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度(2020年3月)に予定していたオーストラリア メルボルンの学会発表と海外研修見学がコロナの影響により中止になったため、予定していた旅費が未使用となり、次年度使用額が生じた。
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