研究課題/領域番号 |
18K00764
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
能登原 祥之 同志社大学, 文学部, 教授 (70300613)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 典型的な構文 / 間接発話行為 / タイプ頻度効果 / 基準特性 |
研究実績の概要 |
1年目の 2018年度では、典型的な構文と間接発話行為に関する文献研究を進め、両者の関係を探る調査を行なった。まず、今までの先行研究をふまえ、中学校の英語教科書において高頻度に見られ、初級英語学習者 (CEFR A1-A2)でも習熟し使えている典型的な構文3種 (States/SVC (be)、Location/SV (be)、Possession/SVO (have) )に注目した。その上で、Spoken BNC2014 (2017) のコーパスデータを利用し、3種の構文に見られる間接発話行為を記述し、構文と間接発話行為との関係を明らかにしていった。調査の結果、(1) States/SVC 構文は、<感情を表現する>間接発話行為と結びつきやすく、場面により話者の心の機微(容認、同意・不同意、関心、恐怖・心配、能力、感謝)が込められやすいこと、(2) Location/SV構文は、(定義)や(訂正)などの間接発話行為とともによく使われ、場面によっては(確率)の間接発話行為も入りやすいこと、(3) Possession/SVO構文は、社会的なやり取りや責任(報告、義務、意図、許可、関心、提案、要求)に関わる間接発話行為とともに使われやすいこと、の主に3点が明らかとなった(2018年 6月 第49回中国地区英語教育学会 (山口大学) で口頭発表)。また、中級・上級英語学習者 (CEFR B1-C2) の13種の典型的な構文への熟達度(特にタイプ頻度効果)に関する基礎研究を進め (2018年 9月The 51st BAAL (York St John University) で口頭発表)、さらに、13種の典型的な構文と4つのCEFRレベル(B1・B2・C1・C2)との関係を明らかにする基礎研究も行なった(2018年 9月The 4th APCLC(サンポート高松)で口頭発表)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
典型的な構文の中でも高頻度3構文に焦点を絞り、研究手法を探ることに時間をかけることができ、間接発話行為の同定作業の負担を軽減できたことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
典型的な構文と間接発話行為の関係に関する調査法の信頼性を高めつつ、典型的な13構文の中でも 中・低頻度構文に焦点を当て調査を行うこと、が今後の課題となる。
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