本研究では次の3点を検証した。(1)英語での多読を行うことは読みの下位処理の自動化を引き起こし、読む速度のみならず、学習者の中間言語、特に、文法・統語知識に影響を及ぼすのか。(2)多読学習者の読みの発達を妨げている要因は何か。(3)多読は学習者のライティング力発達にどのような効果を与えるのか。次の結果を得た。(1)多読は 外国語での読みの流暢さを向上させ、それは読解力の向上も伴う。多読が文法・統語知識の向上、更に、産出面への影響については、今後の分析が待たれる。(2)多読を成功させるには、読書量、読書行動の両方が重要である。(3)多読は詳細で一貫性のある英文を書く力の発達へ繋がる傾向にある。
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