研究課題
基盤研究(C)
語彙の受容知識について広さと深さの観点から分析し,初級レベル(A2)の学習者の未知語と既知語を予測するモデルを構築した。さらに,学習者の語彙知識から読解理解度を予測するモデルの構築も行った。このモデル化を実現したことで,日本語を母語とするフランス語学習者の特性と受容語彙知識との関連を内的要因から説明することができた。また,留学経験による語彙知識の獲得を分析したことにより,留学経験を持つ機会のない学習者への効果的な語彙指導方法を提案することができた。
コーパス言語学,フランス語学
フランス語学習者の語彙知識や読解理解に関する応用言語学的研究は,これまでほとんど行われてこなかった。単語の頻度情報や難易度情報が,実際に学習者の語彙習得や読解理解に与える影響は,少なくとも日本語を母語とするフランス語学習者に対しては研究が行われていない。そのため,本研究はパイロット的であるものの,挑戦的な取り組みであるといえる。また,これらの研究成果により,学習者が効果的に語彙習得を行うための指導方法を提示することができた。