研究課題/領域番号 |
18K00773
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研究機関 | 長崎外国語大学 |
研究代表者 |
河津 基 長崎外国語大学, 外国語学部, 特別任用講師 (20398340)
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研究分担者 |
邊 姫京 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (90468124)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アクセント / 東京語 / 聞き取り / 自習ツール / スマートフォン |
研究実績の概要 |
初年度である今年度は、練習ツールの公開に向けて、(1)スマートフォン対応のアクセント聞き取りプログラムのプロトタイプを作成し、(2)アクセント聞き取りに与える母方言別の特徴を知るため、既存のテストを利用して東京語アクセントの聞き取り調査を行った。
(1)開発している東京語アクセント自習ツールのベースとなる「日本語アクセント聞き取り練習プログラムNALA-J」を各種ブラウザーで動作するよう作り替えた。従来のプログラム開発時には、短い音声の再生に適したJavaScriptタグが存在せず、Microsoftの開発した特殊タグ<bgsound>を使ったため、動作するブラウザーがInternetExplorerに限定されていた。一方、今回開発し、2018年9月に公開した試作版はGoogle ChromeやMicrosoft Edgeなどブラウザーを選ばず動作し、パソコンのほかスマートフォン上での練習も可能となった。インターネットに接続できる環境であれば、教室や廊下など場所を選ばず、世界中どこからでも、ポケットから取り出した小型端末で練習を始める環境が整った。
(2)東京語アクセントの聴取能力に関して二型式アクセント方言の母語話者の特徴を調べるため、鹿児島方言話者23人を対象に「東京語アクセントの聞き取りテスト」を8回行った。結果を分析したところ、撥音や促音に比べて、長音を含む音節にアクセント核がある場合に正答率が低いことが分かった。これまで、研究分担者により、東京式、京阪式、および無アクセント地域のデータ分析が終わっている。二型式アクセント方言の調査結果を加えることにより、日本全国の特徴を捉えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アクセント聞き取り練習プログラムのスマートフォン対応版を試作し、授業で練習課題として出すとともに、フィードバックを得て改良を重ねている。使い勝手が良くなっており、今後、練習パターンの拡張に着手する見込みがついた。
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今後の研究の推進方策 |
練習プログラムのメニューを拡張し、多様な練習方法を選ぶことができるようにする。長音、促音、撥音、母音の無声化、疑問イントネーションなど、聞き取りにくい要素を持った設問を集中的に練習できるようにする。文中の語に関してアクセントを問う練習を加える。練習語リストを作成し、東京出身の声優による発話の収録を行う。練習プログラムに加え、東京語アクセントについて理論的に学ぶことができるWebページを作成し、説明文に合わせた音声を再生したり、例題を埋め込むなどする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属機関変更に伴い、2月より研究の速度を遅めた。ただし生じた次年度使用額は、前倒し支給を受けた部分について発生したものであり、次年度も当初計画より研究が早く進む見込みである。
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