研究課題/領域番号 |
18K00783
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
橋本 健一 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (20581036)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 動詞句省略文 / Cross-modal priming task / 文理解 / 第二言語習得 |
研究実績の概要 |
本研究では、外国語・英語教育においてしばしば問題となる「外国語のリスニングにおける文章理解度に発話速度やポーズがどのように影響を及ぼすか?」という問いに対して、文レベルの理解処理への影響という心理言語学的見地からの答えを提示するために、英語動詞句省略文を用いた行動心理実験を実施する。熟達度の異なるL2学習者の文理解処理に対する、(1) 発話速度の影響 (2) ポーズの影響 (3) 異なる発話速度でのポーズの影響を明らかにすることにより、これまで結論の一致を見ることがなかった外国語リスニング全般への発話速度・ポーズの影響に、新たな視点からの考察を加えて、英語リスニング指導への示唆をもたらすことを目的としている。 平成31/令和元年度の研究は、前年度の課題であった実験素材の再整備(語・節間のポーズの影響ではなく、真に発話スピードが遅くなった素材の作成)と個人要因測定のための課題選定まではおおよそできたものの、実際の実験実施に至る所で遅れることとなった。その主な要因としては、他研究プロジェクトを含む業務集中で夏期休暇に実験実施が間に合わなかったこと、そして春期休暇に新型コロナウィルス感染が拡大し始めてその対応に追われたこともあり、研究のための時間が裂けなかったことである。また後者については、本研究で必要とされる心理実験が当初参加者を研究室に招いての1対1での実施を想定していたが、学生がキャンパスに来られなくなったこと、およびその措置が想定より長く続くことが考えられることから、実験全体をオンラインに移すべく、可能なプラットフォームの検索および必要な技術習得に目を向けざるを得ず、やや長期的な遅れを視野に入れる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述の通り実験実施が遅れている。その要因として、 ・長期休暇中の業務集中(含他研究プロジェクト) ・新型コロナウィルス感染拡大による追加業務 ・新型コロナウィルス感染拡大により、実験参加者となる学生が大学に来ることができず、実験プラットフォームをオンライインに移す必要が出てきたこと などが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度については前期がほぼ授業のオンライン移行と大学運営の緊急対応に当てられるため、研究に割ける時間は極めて限られてくる。オンラインでの実験プラットフォームについてはおおよそめどがたっているものの、完全に使いこなすための技術習得を含めると、研究機関を1年延長することが研究推進の最善策と考えられる。ただし、いったんオンラインでのデータ収集環境が整えば、かなりハイスピードでデータ収集は可能になると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験実施に入れず、人件費が使われていないことが大きい。今後の実験の謝金としての人件費として使われることになるが、それに加えてオンラインでの実験が可能となるプラットフォームのライセンス購入にかかる費用も必要となる。
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