研究課題/領域番号 |
18K00791
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠藤 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40724422)
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研究分担者 |
早野 薫 日本女子大学, 文学部, 准教授 (20647143)
黒嶋 智美 玉川大学, ELFセンター, 助教 (50714002)
増田 将伸 京都産業大学, 共通教育推進機構, 准教授 (90460998)
横森 大輔 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90723990)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 英語授業内活動 / グループワーク / ペアワーク / 認識性 / 会話分析 |
研究実績の概要 |
本年度は昨年度に撮影した英語学習活動データの分析を進めるのと並行して、新たなデータ撮影も行い、合計約14時間の新規データを収録した。各自で分析を進めつつ、データセッションを行って分析内容を検討した。研究代表者は本年度より所属機関の変更があったため、倫理委員会の承認を得たうえで秋学期から新たなデータ撮影を行った。このことにより、更に多様種類の学習場面をデータに収めることができた。 6月には香港の香港理工大学にて開催された国際語用論学会にて各自の研究発表を行ったほか、本研究課題に関する発表の聴講をして知見を得た。様々な種類の活動に関し、マルチモーダルな分析を行う研究が数多く発表されており、本研究課題のアプローチも国際的な潮流の中に位置づけられることを再確認した。 11月に京都で行われた日本語用論学会では本科研のメンバーでワークショップ「英語学習活動の相互行為における知識や理解の交渉」を企画し、多くの来場者とともに活発な議論を行ったのち、プロシーディングスに分析結果をまとめた。国内においても、本研究課題は研究者の強い関心を集めるものであることが明らかになった。 具体的には、大学英語授業内活動における学習者同士のグループワーク、あるいは対教師による相互行為の分析によって、(1)参与者が互いに相対的な認識的地位を基盤として、具体的な活動への参加のための枠組みを交渉していること、(2)会話相手と認識的スタンスを調整し表明することで様々な社会的行為を達成し、授業内活動を展開していること、(3)その結果、一見停滞しているとみられる学習活動もこれらの交渉や配慮の結果であるため、学習活動の進行にとっては寄与するものであることなどを明らかにしつつある。このような知見は、アクティブラーニングが求められている大学英語授業のための具体的な英語学習活動を組み立てる上で資することが期待されるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度より代表者の所属機関が変わったため、倫理委員会の審査申請を行う必要が生じ、秋学期からは新しい撮影を開始したものの春学期には新たなデータ撮影を行うことができなかった。また、3月に予定していたメンバーでの会合も、新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点より中止せざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、本科研メンバーの所属機関全てにおいて対面の授業が当面の間中止される見込みである。このため、新たなデータ撮影は難しくなるが、既に撮影したデータの中で詳細に検討する箇所を増やして研究を進めていく。プロジェクトメンバーが集合してのデータセッションも当面は行わず、各自でデータ分析を進めて適宜報告を行うという形態へと変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス感染症拡大防止のため、年度の終わりに計画していた研究会を中止した。また、代表者の所属研究機関変更により、データ収集やその他の計画に変更があった。 2020年度に対面での研究会や学会参加ができない場合、収録済みのデータの書き起こし等に予算を使用して研究を進める。
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