「ネイティブスピーカー」(NS)という概念は外国語(英語)教育の専門家の間でもその内容が十分検証されること無しに長い間指標として考えられてきた。これがマスメディアにより助長され、英語学習者は十分な情報を待たずに、NSの使う英語の習得を目指し、それに応えるべくNSであることが教師の資質と取り違えられるようになり、そうでない者との力関係が拡大した。NSという概念の歴史的変遷を辿ることにより、英語の共通語(Lingua Franca)としての役割がより顕著になってきた今日、NSとそうでないノンネイティブスピーカー(NNS)を基準にした二項対立の考え方は有効でないことが判明した。
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