研究実績の概要 |
昨年度までは、15人の大学生のスピーチパーフォーマンスの変化をcomplexity, accuracy, fluency, complexityのCAFの観点から分析した。大学生は、4から8コマの漫画を見て、3分以内という時間の制約がある中で物語を作るというタスクを毎日行った。合計、それぞれが20のタスクを行った。そのスピーチは録音され、文字化し、CAFの視点から分析した。Complexity(複雑さ)は、AS-unitごとの節の数、j時制、態の観点から、accuracy(正確さ)は、トークンごとのエラーの数、AS-unitごとのエラーの数の観点から、fluency(流暢さ)は、毎分ごとのシラバスの数、トークンごとのポーズの数により分析した。
今年度は、CAFの分析の結果、調査協力者のcomplexity, accuracy,fluencyは、タスクを重ねるたびに上達するというよりは、それぞれが発達のそのパターンは異なり、トピックになじみがあるタスクかどうかなどのtask difficultyがCAFの点数に影響していることがわかった。
今回は、スピーチパフォーマンスを量的な分析だけではなく、creativityという新たな 視点からも質的に分析した。すべてのタスクのcreativityは、イメージ、役柄描写、主張、ストーリーラインの4つの観点から3人のraterにより判断された。その結果、creativityの評価は、CAFの評価とはほとんど一致していないことが分かった。CAFの評価が低い調査協力者でも高いcreativityがあると評価されるものもいた。
|