研究課題/領域番号 |
18K00796
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
深田 芳史 明星大学, 人文学部, 教授 (60350279)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 留学生 / 状況的目標言語学習 / 社会的やりとり / 文化資産 / 語学学習者のアイデンティティー |
研究実績の概要 |
英語力の向上を目指し英語圏に留学する人々は依然として多いが、留学しても目標言語使用機会が自動的に得られるわけではないことが過去の多くの研究で明らかにされている。そこで私は、留学生たちが、実際どのように目標言語使用機会を獲得することができているのかを2010年度から調査している。
本研究は、1回目の科研費(平成22-25年)を頂いてから本格的にスタートさせ、その後、特別研究員(平成24-25年)としてハワイ大学でエスノグラフィー・質的研究技法を学びつつ、これら新たな研究アプローチも取り入れながら、データ収集を続けた。平成29年には、大学から研究費を受け、そして、平成30年度からは科研費を再度、支給頂けることとなり、本研究を続けていくことにした。平成30年度の研究活動においては、データ収集よりも、これまでに収集した膨大なデータの分析、そして、論文執筆に焦点を当てた。データ分析に関しては、これまでに9名から収集した質的データの分析を行った。現在、分析は完了はしていないものの、最終的な整理段階に入りつつある。これらのデータ分析結果は、現在取り組んでいる博士論文研究用のものであるため、31年度中に分析を完了させる決意である。論文執筆に関しては、この度、Peter Langからの出版される書籍のブックチャプターとして一本の論文を出版し、また、これまでに出版してきた3本の論文を改訂し、また、新たな文章そして自身のbiographyを追加して、書籍に仕上げることができた。この書籍は、Springerから2019年5月に出版される予定である(出版に際して発生する印税は一切、放棄している)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの研究進捗状況は、概ね順調に進展しているとした。
理由は、一本のブックチャプター論文を出版しただけでなく、本研究テーマでSpringerから一冊の書籍を出版することができたからである。2010年度から本研究を開始し、この度、こうして初めて書籍を出版できることになったのは大きな成果と言える。
しかし、一方で、データ分析については、予定よりも進行が遅れていると言える。データ分析は、実質、2017年度から続けているも、収集した質的データの分量が膨大であるため、いまだ完全に作業を終えることができていない。そのため、2019年度は、博士論文として使用するデータの分析は完全に終わらせ、そして、30パーセントの博士論文原稿執筆を完了すると強く決意している。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、いまだ学科主任としての任務に就いているため(2019年度で最終年度)、海外の学会発表出張はあまりできない状況にある。その為、本年度は、データ分析の完了、そして、博士論文原稿の執筆に重点を置き、研究活動を続けて行きたいと考えている。
そして、2020年度からは、博士論文原稿の執筆を毎日行いながら、海外での学会発表も積極的に行って行きたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は、データ分析と論文・書籍執筆に重点をおいた為、また、学科主任の任務に就いていた為、海外の学会発表することができませんでした。こうした理由で、次年度使用額が発生しました。
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