| 研究課題/領域番号 |
18K00799
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| 研究機関 | 神奈川大学 |
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研究代表者 |
堤 正典 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (80281450)
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| 研究分担者 |
小林 潔 神奈川大学, 外国語学部, 非常勤講師 (20350374)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 日本におけるロシア語教育 / 語彙教育 / 学習語彙項目再検討 / 語の多義性 / 多義ネットワーク分析 / 日ロ語対照 / レアリア学習 / 習得基準 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、学習者に適切な語彙の適切な用法を学習させるために、ロシア語学習語彙項目の再検討を行うことと、それらに含まれる多義性の分析を行うことを二本の柱とし、日本のロシア語学習者の語彙学習の効率性・実用性の促進を図ることを目的とする。これまで行ってきた習得基準の研究やレアリア学習の研究もふまえ、またТРКИ（ロシア教育科学省認定留学生ロシア語試験）のレベル別学習語彙リストを基盤として研究を進めている。
・学習語彙項目の再検討 ロシア国外のロシア語の使用や継承に鑑み、本国の教育界が提示するもの以外にも目配りをしつつ進める。日本語話者のロシア語使用、またТРКИと対照すべく各種試験等で示されているものも考察対象とする。ロシア国外のロシア語教育も参照している。
学習語彙の検討においては、2020年度に向けて、基本語彙の機能の検討のためロシア語学習者向けのロシア文学作品等のリライトテキスト（学習者向けに語彙を制限してリライトしたテキスト）の原作との比較に着手した。しかし、それに関連して、ロシアの研究者との意見交換と資料収集のため、2020年3月にロシア出張を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため出張を中止せざるをえなくなった。
・語の多義性の分析 ТРКИの最重要語においても、学習者が正しく意味用法を理解するためには、それぞれの基礎的な学習語彙においても、より詳細な多義性分析が必要であると考えている。多義性分析には多義ネットワーク分析の手法を用いる。これは、語の多義性の展開は、その語の中心義からメタファー・メトニミー・シネクドキによって起こっているとするものである。こちらの分析はおおむね順調に進んだ。また、フィンランド・バルト三国を訪問した際に現地でのロシア語教育に関連する資料収集を行った。
ここまでの研究の概要を所属研究機関の紀要に発表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「学習語彙項目の再検討」においても、「語の多義性の分析」においても、おおむね順調である。
ただし、一部実施できなかったことがある。学習語彙項目の検討において、基本語彙の機能の検討のためロシア語学習者向けのロシア文学作品等のリライトテキスト（学習者向けに語彙を制限してリライトしたテキスト）の原作との比較を行うことに着手し、これについては2020年度に本格的に取り組む予定である。そのために、本格的な分析の前に、ロシアの研究者との意見交換と資料収集を行うべく、2020年3月にロシア出張を計画していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため、ロシアが入国制限を実施する可能性があることや、訪問先の研究機関が立ち入りを拒否する可能性が高まり、様々な準備は整っていたものの、出張を中止した。実際に、訪問予定の主要な研究機関のひとつは訪問予定日には入構禁止となっており、もしロシアに入国できたとしても、研究機関の訪問はできなかったことになる。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまで通り、「学習語彙項目の再検討」と「語の多義性の分析」を進めていく。
ただし、研究の信頼性を高めるために、日本・ロシアをはじめとする内外の研究者との意見交換を行うことは必要で、国内およびロシアをはじめとする国外への出張を行いたいところである。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で出張できない状況が長く続くことも考えられる。国内・国外の研究者との意見交換の方法をオンラインで行うなど、直接面会しない方法を採用することで補っていきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
堤は、2019年度に勤務校に1年間のロシア滞在を許可され、ロシアへの渡航費やその他の旅費（フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニアへの渡航費）を科研費から支出する必要がなく、国外にいたため物品費の執行は行わなかった。また、小林は、2020年3月にロシアへの出張を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、ロシアでの研究活動が予定通り十分な形で行えないおそれがあったため、出張を断念した。これらのことにより使用予定の旅費及び物品費の執行が少額となった。なお、人件費は使用する必要がなかった。
2020年度は調査と資料収集のための旅費及び物品費を予定より増額して使用する計画である。
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