本研究は、日本の学校教育における一般的な学習のあり方を3つの段階に分け、「利他的な学び」こそが「うまくいく(機能する)」教育の実現に近いことを理論、実践の双方から実証を試みた研究であった。「利他的な学び」を他者の視点に第一義的に立って貢献を模索して創造的に実行する活動であると定義し、利他的な学びを学習に組み込むことが、Rortyらのネオ・プラグマティズムに基づく理論的示唆からも、学習者に「学びの実感」を与え、学習効果を高める上で頗る効果的な可能性があるとの認識に立ち研究を行った。最終的には、利他を感謝に置き換えた「感謝研究」として実証的な研究へとつなげることができ、成果を上げることができた。
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