研究課題
本研究プロジェクトの目的は、北東アジアにおいて、社会的・政治的な意味で論争上にある問題を、おなじく北 東アジア地域における外国語・第二言語教育(日本語・中国語・コリア語・英語)の実践場面で取りあげる価値と手法を明らかにすることである。本年度は、以下3つの点において、大きな進展が見られた。1)論争上にある問題を取り上げた言語教育実践の分析を行い、その価値と手法について発表(書籍の一部として公開)した。2)日本と韓国の大学において、論争上にある問題を議論することに関する学生のビリーフとレディネスを調査した。この調査は来年度も継続予定である。3)議論における、言語選択と言語能力に関する側面について:論争上にある問題を議論する際の、言語選択と言語能力に関する側面の諸要素を明らかにするために、パイロット調査を実施し、その成果を学会で口頭発表した。パイロット調査で得られた仮説を検証するために、来年度はより規模を拡大して調査を行う。
2: おおむね順調に進展している
2019年末までは当初の予定以上に順調に計画が進み、一部の内容については(来年度以降を予定していた)成果発表にまでたどりつくことができた。しかし、2020年に入ったころから、新型コロナウイルスの影響で、複数の調査計画が中止・延期となっている。2019年末時点ですでに予定以上に進行している分があったため、この中止・延期分を考慮に入れても年度末においては「おおむね順調に進展」とみなすことができる。
新型コロナウイルスの感染拡大がある程度収束しなければ、データを取るための授業実践や調査を予定通りに進めることは極めて難しい。2020年夏頃までは様子を見るが、それでも当初の調査を再開できる程度にまで収束しない場合には、大幅な予定の変更も視野に入れる。
2020年3月末に釜山で計画していた国際研究集会が、COVID 19感染拡大の影響で不開催となり、そのための旅費および雑費が使用できなかった。この研究集会は、2021年の同時期に延期となったため、該当する金額はその研究集会への旅費および雑費に用いる予定である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件) 図書 (1件)
人文科学研究
巻: 16 ページ: 67-79
言語文化教育研究
巻: 17 ページ: 53-70
https://doi.org/10.14960/gbkkg.17.53
高等教育と学生支援
巻: 9 ページ: 1-11
https://crdeg5.cf.ocha.ac.jp/crdeSite/pdf/j18n-1.pdf