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2023 年度 実施状況報告書

北東アジアでの外国語教育実践で、社会的な論争上にある問題を取りあげる価値と手法

研究課題

研究課題/領域番号 18K00832
研究機関山口大学

研究代表者

山本 冴里  山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (00634750)

研究分担者 森山 新  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10343170)
李 暁燕  九州大学, 共創学部, 准教授 (70726322)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2025-03-31
キーワード論争上にある問題 / 炎上 / センシティブなトピック / 共修
研究実績の概要

代表者の山本は、論争上にある問題を取りあげる教育実践を重ねているが、本年度、実践現場を、これまでの言語教育場面から留学生と正規生の共修場面にうつし、これまでの研究成果がどの程度応用できるのかということについて、検討を開始した。また、これまでの実践についての成果の一部を書籍(分担執筆)の形で発表した。
分担者の一人である森山は、これまで同様、論争上にある問題を取り上げ、4月から7月に釜山外国語大学校との国際遠隔合同授業、8月から9月に日韓大学生国際交流セミナー(複言語・複文化教育プログラム)、10月から2月に米国・ヴァッサー大学と国際学生フォーラムを開催した。またその成果を海外学会の招聘講演会や国内の学会で発表した。
分担者の一人である李は、複言語複文化の環境における「共に生きる」ためのコミュニケーション法について事例研究を通じて研究を行なった。福岡市西区にあるコミュニティにおいて、外国人住民と日本人住民の「言葉の壁」を越えるためには、単にやさしい日本語を用いるだけでは不十分であり、日本語と英語の併用や外国人住民の母語の活用が有益である。やさしい日本語を使う際には、「格助詞を省略する」、「話の構造を変更する」、「要点のみを述べる」というストラテジーが効果的だ。ノンバーバルコミュニケーションもまた、共生において重要な役割を担う。写真や絵を利用したり、相手の観察を通じて気持ちや状況を推測し理解したり、感情を具体的な行動で表現することが、相互理解を深めるのに役立つ。福岡市西区にあるHサロンで示されたこれらの手法は、他の地域のコミュニティにも適用可能であり、複言語複文化のコミュニティ構築において有益な事例として提供される。これらの方法は、異なる背景を持つ人々がお互いを理解し、共に生活していく上での有効な手段となるだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍と国内および近隣国の政治的な状況の変化により、当初計画をそのまま実施することが困難になったため。

今後の研究の推進方策

コロナ禍と国内および近隣国の政治的な状況の変化により、当初計画をそのまま実施することが困難になったため、力点を変えることが必要になっている。大規模なアンケート調査はとりやめ、令和5年度より比較的小規模に実施可能な実践研究とフィールドワーク、および理論的な検討に切り替えたが、今後もその路線を継続する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍とライフイベント、およびフィールドとしていた国(の一部)における政治的状況の変化により、本研究課題は延長を繰りかえしてきた。令和6年度を最終年度とし、明らかになったことと、残された課題についてまとめる。
残額は必要に応じて研究成果の発表のために、および残された課題を検討するにあたって必要となる文献購入のために用いる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 間文化的シティズンシップ教育としての国際遠隔合同授業: 民主的文化のための能力の参照枠を尺度として2024

    • 著者名/発表者名
      森山新
    • 雑誌名

      人文科学研究

      巻: 20 ページ: 41-54

    • DOI

      10.083/0002004129

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 間文化的シティズンシップ教育としての日本語教育-韓国と日本の過去克服と和解のために-2024

    • 著者名/発表者名
      森山新
    • 雑誌名

      日本語教育研究

      巻: 66 ページ: 7-26

    • DOI

      10.21808/KJJE.66.01

  • [雑誌論文] 日本に暮らす外国人と日本人の相互理解のプロセスの解明-K大学の交流サロンを事例として-2023

    • 著者名/発表者名
      山田穂乃佳・李暁燕
    • 雑誌名

      2022外語教育與文化研討會論文集

      巻: 1 ページ: 123-150

    • 査読あり
  • [学会発表] 複言語複文化の環境におけるバーバル及びノンバーバルコミュニケーション ―福岡市西区 H サロンの事例研究―2024

    • 著者名/発表者名
      李暁燕・山田穂乃佳
    • 学会等名
      言語文化教育研究学会第10回年次大会
  • [学会発表] 間文化的シティズンシップ教育としての日本語教育: 韓国と日本の過去克服と和解のために2023

    • 著者名/発表者名
      森山新
    • 学会等名
      韓国日語教育学会第44回国際学術大会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] ことばの教育と平和2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤 慎司、神吉 宇一、奥野 由紀子、三輪 聖
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750355795

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公開日: 2024-12-25  

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