研究課題/領域番号 |
18K00843
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
松本 優美 聖心女子大学, 文学部, 非常勤講師 (00813619)
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研究分担者 |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | コーパス / CEFR |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、2020年度の新学習指導要領実施をひかえ、有益な英語学習材の配列、系統的提示方法などを調査・提案することである。調査にあたっては、NHKが2011年より社内で運用している「NHK英語データベース」(以下、英語DB)を用いる。 英語DBは、NHKが有する膨大な英語番組の過去データを「英語学習・教育用コーパス」として整備したものである。初期段階として、英語DB内のテキスト性質分析を行った。 英語DB内の主に会話を扱った番組と、ニュース素材のようなモノローグを扱った番組の仕分けを行い、英語DB内使用語彙レベルの分析を進めている中で、本研究を進めるにあたって、初期段階のうちに解決するべき課題が見つかった。ひとつは、2013年度以降に行われているNHK英語レベル指標に関して、同一番組が年度によって異なるレベルに位置付けられている場合、本研究内でどのように扱うのか。ふたつめは、同一番組内の年度間のテキスト量と質の差異を、本研究内でどのように扱うべきかという点である。これらの課題は今後の分析検証に大きく影響を及ぼすため、慎重な検討がされた。その結果、各種テキストデータの分類方法を変更するなどの修正を行った。 英語DBの使用語彙レベルの検証については、GSL、NGSL、AWLおよび、CEFRレベルが設定されているEngl ish Vocabulary ProfileとCEFR-J Wordlist、JACET 8000などを用いて比較分析を進めている。これにより、英語DBで用いられている語彙の特徴が明らかになりつつある。また、COCAなどの大規模コーパスとの比較分析において、特定語彙の使用特徴を検証に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定よりもデータの取得に時間を要したことと、英語DB内の各種テキスト特性の差を考慮し、再分析を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
各種語彙リストと英語DBの使用語彙レベルの分析と検証を早急に完了させ、語彙と機能の関係を、機能タグごとに集計した語彙リストを作り明らかにする。また、英語DBの使用文法項目の検証を行うにあたり、CEFRレベルが設定されているEnglish Grammar Profile, CEFRJ Grammar Profile, および現行中学校検定教科書を用いて比較分析を行い、文法事項の提示順序に関して整理する。その後、文法事項と関連する語彙、文法事項と機能の関係を分析し、文法ー語彙ー機能のリンクを明確に定義することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
発表にともなう学会参加費および旅費が不要となったため。学会発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費にあてたい。
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