研究課題/領域番号 |
18K00845
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
鈴木 ひろみ 中央大学, 商学部, 准教授 (90781112)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 事態把握 / 自己投入 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、中国語母語話者と日本語母語話者合計 212 名に対して行った調査で得られたデータを精査し、中国語と日本語が事態把握する際の「場面外視点」と「場面内視点」の特徴について考察した。その結果、「場面外視点」で事態把握する中国語は「場面内視点」で事態把握する日本語より、視点の転換が比較的自由であることや同じ状況を描写する際に、中国語の方は受動文で表現されるのに対し、日本語は能動文で表現される傾向があるといった違いがあることを明らかにした。さらに、このような違いの生じる要因は、中国語は「自己投入」という視点構図で言語化するのに対し、日本語は「共感体験」の視点構図で言語化するためであると指摘した。本研究成果は学会誌に投稿し、論文発表に至った。 中国語母語話者と日本語母語話者に対して行った“Frog,Where Are You?”を用いて「絵本を見て、物語を作る」という調査は2年間の学習歴を持つ中国語学習者に対しても行った。今年は中国語学習者に対して行った調査で得られたデータを「自然習得順序仮説」の理論の枠組みに焦点をあてて整理を行い、中でも特に、中国語の“来”“去”の習得に反映される習得順序について考察した。今年は研究成果をまとめ論文投稿や発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス禍で、調査活動や発表が制限される中、従来予定していた研究活動に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を一年間延長し、最終年度に当たる今年は、新型コロナウィルス禍の状況が好転すれば、昨年度参加できなかった国際シンポジウムに参加し、その成果に基づき、積極的に国内外の学術雑誌への論文投稿を行う予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の発表のための旅費に適宜使用していく予定である。そのほか、研究に必要な専門書および文房具などの購入の予定がある。
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