研究課題/領域番号 |
18K00845
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
鈴木 ひろみ 中央大学, 商学部, 准教授 (90781112)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 場面内視点 / 場面外視点 / 言語情報の連続性 |
研究実績の概要 |
昨年度に続き、場面内視点と場面外視点の観点から、中国語母語話者と日本語母語話者への作文調査で得られたデータを研究材料として、調査協力者が産出した文を「言語情報の連続性」という観点から分析した。その結果、「場面外視点」を取る中国語母語話者は、言語情報に連続性を持たせた文を産出するため、絵本に書かれていない場面(情報)を前後の絵から推論、捕捉して、それらを明示的に言語化していく傾向がある。それに対して、「場面内視点」を取る日本語母語話者は、絵本に描かれている情報を「見えのまま」に言語化していくが、中国語母語話者よりも多くの「時間的な繋がり」の要素を取り入れることで、言語情報の連続性を確立させていたことがわかった。現在、上記の内容をまとめたものは《漢語語言対比研究論叢》に投稿中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で、中国へ渡航できずにいるため、従来予定していた調査などが滞っている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、”Frog,Where are you?”に関しての中国語母語話者と日本語母語話者から集約したデータの整理と分析・考察を行い、複雑な様相を呈する中国語と日本語の事態把握の全体像に迫ってまいりたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍が収まれば、研究成果の発表のための旅費に適宜使用していく予定である。そのほか、研究に必要な専門書および文房具などの購入の予定がある。
|