2022年度は、前年度に続き、中国語母語話者と日本語母語話者への作文調査で得られたデータを研究材料として、調査協力者が産出した文を「言語情報の連続性」という観点から分析した。その結果、「場面外視点」を取る中国語母語話者は、言語情報に連続性を持たせた文を産出するため、絵本に書かれていない場面( 情報)を前後の絵から推論、捕捉して、それらを明示的に言語化していく傾向がある。それに対して、「場面内視点」を取る日本語母語話者は、絵本に描かれている情報を「見えのまま」 に言語化していくが、中国語母語話者よりも多くの「時間的な繋がり」の要素を取り入れることで、言語情報の連続性を確立させていたことがわかった。本研究成果は学会誌に投稿し、論文発表に至った。
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