研究課題/領域番号 |
18K00846
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鍋井 理沙 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター(高輪教養教育センター), 准教授 (00759194)
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研究分担者 |
原田 康也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80189711)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Employability / Comprehensibility / Accentedness |
研究実績の概要 |
1 データ収集 :日本人大学生が話す英語のEmployabilityを調査するために、英語力の異なる学習者の発話を収録し、英語母語話者(母語話者レベル)に提示して employability についての主観評価を収集した。業務の種類・難易度によって求められる英語のレベルは大きく異なるため、被験者には訛の程度の異なる6 つの発話(疑似面接の応答の様子)を聞き、それぞれの発話者が①同僚や顧客とコミュニケーションをとる機会、②社会的ステータスの異なる4つの職業で雇用 される可能性に関するアンケートに答えてもらった。 2 データ分析:アンケート結果は、共分散分析(自由回答の部分は質的分析)をする予定であったが、コロナ禍の影響でデータ収集が遅れており現在もデータ収集中である。必要なデータが集まり次第、量的な統計処理を実施する。一方、質的な面からは、被験者が発話者のemployability(企業に雇用され る可能性)について考慮する際、訛の強さや発話のわかりやすさだけでなく、発話者の「自信」や「誠実さ」を評価している傾向が見られた。音声学的な要素以 外の要因がemployabilityにどのような影響を与えているのか今後分析していく。 3. 企業関係者へのヒアリング:企業関係者等に日本人大学生に求める英語力などに関するアンケートを実施していたが、多くのインタビューがコロナの影響で実施できなかった。今後はZoom等オンラインツールを駆使してインタビューを進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
被験者の応募に関して実際に仕事で英語を使用しているビジネスパーソンは多忙のため、アポイントメントがなかなか取れなかったことに加え、コロナ禍による緊急事態宣言・外出制限・学会の中止などが当初の予測より長引いたため研究の予定に大幅な狂いが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、疑似面接の応答を聞き、発話者のemployabilityについて評価する被験者の言語背景の多様化を進める。これまでの被験者は全て英語母語話者(母語話者レベル)だ が、実際の職場では英語が母語話者ではない人との英語でのコミュニケーションが必須となるため、今後は被験者の多様性を高め、英語母語話者のアンケート結 果との比較等を実施していく。すなわち、英語母語話者だけではなく、英語を第二言語または外国語として習得した被験者を募り、アンケート結果を比較・分析 する。情報の収集に関してはコロナ禍による外出制限がどの程度続くか判断が難しいため、オンラインをベースに募っていく。
これと並行し、ビデオ会議ツール等を使ったビジネスパーソンへの個別インタビューで企業が考える「仕事で必要な英語」について調査し、企業側から見た総合 的な観点から日本人大学生の英語産出能力を測定する。研究会・学会等での研究計画の経過報告については学会の開催状況によるが、オンラインで開催を実施する学会を中心に発表を考えている。コロナ禍が続く前提の計画に舵を切っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍でインタビューによるデータ収集及びデータ分析のための人員の雇用・分析ができず、謝金・アシスタントへの支払いが発生しなかったため。また、海外・国内の学会が軒並み中止・オンライン開催となり、当初予定していた旅費が生じなかったため。
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