研究課題/領域番号 |
18K00847
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
田頭 憲二 東京家政大学, 人文学部, 准教授 (00403519)
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研究分担者 |
太田 洋 東京家政大学, 人文学部, 教授 (30409825)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 英語授業 / 訂正フィードバック |
研究実績の概要 |
本研究においては,今後の日本の中学校,高等学校段階における英語授業において必要とされる英語教師の英語によるティーチャートーク(teacher talk)の中でも,特に,学習者の発話の誤りに対する訂正フィードバック(corrective feedback,以下,CF)に焦点を当てることで,(1)日本の英語教育での教室場面におけるCFの出現頻度および種類(調査研究)と(2)英語学習者の第二言語発達を促進するCFの効果を明らかにする(実験1)とともに,(3)ピア学習者の観点から検証(実験2)を行うことで,教員養成や教員研修の際に有効な教育的指導モデルを確立することを目的としている。 本年度においては,調査研究として,中学校でのCFの現状把握を目的に,授業観察および録画データのうち教授者の授業内での英語使用割合および学習者の英語使用機会の点から,約100の授業に注目して分析を行った結果,学習者の誤りを含んだ発話に対する教授者のCFの提供の有無とともに,学習者のそのCFに対する反応に関しても特徴が明らかとなった。 また,実験1として,英語学習者の第二言語習得を促進するCFの効果検証を目的として,日本人中学生英語学習者を対象に,疑問文の発達段階を焦点に,実験を行った。各実験協力者の疑問文における発達段階を特定した後,英語母語話者とのインフォメーションギャップ課題を与え,学習者の疑問文に関する誤りに対して,CFのうち,特にリキャストを与える個別実験を行った結果,学習者の発達段階に応じて,CFの効果が異なることが明らかとなった。 これらの研究結果に関しては,2019年度に開催される学会において報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の進捗状況に関しては,当初の計画通り,進められている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,今後,調査研究および実験1の学会等での報告を行うとともに,その後,当初の計画通り,(2)ピア学習者のCFに対する気づきによるCFの効果(実験2,研究代表者および分担者担当)を明らかとし,(3)「教育的応用段階」において,上記より明らかとなった結果を基礎的データとして,今後の日本の英語教育の教授,学習の両視点から教育的示唆を導き出すこととなる。 その際,効率的に研究を進めるための研究協力者からの支援として,専門的知識の提供に関しては,学会等において研究成果の発表を行うとともに,第二言語習得研究および英語教育研究の研究者からの専門的知識の提供を受け,教育現場よりの実践的知見の提供として,中学校英語教員からの教育実 践に関する知見の提供を受けることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画における動画の書きおこしおよび分析に関して,業者への発注および納品が当該年度に間に合わなかったため,次年度使用額に含めることとした。
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