研究課題/領域番号 |
18K00872
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
川井 一枝 宮城大学, 基盤教育群, 准教授 (40639043)
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研究分担者 |
鈴木 渉 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (60549640)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小学校英語教育 / チャンツ / メカニズム / 技能面 / 情意面 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小学校英語教育で多用されているチャンツ(リズムに合わせ英単語や英文等を繰り返し唱える練習法や教材)が児童の音声面や語彙の獲得ならびに学習意欲・異文化理解などの情意面においてどのような効果があるのか検証することである。頻繁に使用されてはいるものの、未解明な点が多いチャンツのメカニズムを探り、低学年化・教科化が進む小学校英語の授業において、より効果的な提示や指導の提案を目指している。 4年目となる当該年度は、3年目同様に新型コロナウイルス感染症に伴う様々な制限ならびに教員の業務増加により、頻繁な訪問や新たなデータの取得が難しく、前年度に取得したデータを分析するに留まった。対象者は協力校の小学校3年生の児童90名である。児童は、これまで学習したチャンツをタブレットを用いて録音した後に聞いて、「録音は難しかったか」など機器の操作に関することや「自分の発音を聞いてどのように感じたか」など学びの振り返りに関する6項目(4件法)と自由記述からなる質問紙に回答した。質問紙調査の結果は、2021年小学校英語教育学会全国大会(オンライン開催)で発表した。 なお2年目に取得した小学校4年生の音声データならびに質問紙調査の分析結果は、2020年にオンラインで実施された小学校英語教育学会で発表し、JES Journal(小学校英語教育学会紀要)第20号に投稿し掲載された。練習前後の発音面の変化とチャンツの練習に対する情意面を分析したものであり、授業内の練習においてチャンツのある一定の効果が確認されている。また初年度にチャンツと他の活動と比較した調査結果もJES Journal(小学校英語教育学会紀要)第19号に掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画通り進んだ部分もあったものの、当該年度は前年度と同じくコロナ禍の状況に伴い、大学においても小学校においても教員の業務や負担が増えたこともあり、データの取得や訪問観察などが難しく全てが予定通りとはいかなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年に得た児童の音声データを分析し論文で発表する予定である。また、チャンツで練習した表現が児童の発話の中でどのように変化していくか、時系列の観点から新たなデータの取得も計画している。それらの分析結果、授業観察、これまでの調査結果などを通して、小学校英語教育におけるチャンツの役割について明らかになったことをまとめていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、2020年度同様にコロナ禍に伴い、国内外への学会参加がなく旅費が発生しなかったため、使用予定額との差が生じた。それらについては、2022年度、学会参加に伴う旅費や参加費などに充当する予定である。
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