研究課題/領域番号 |
18K00874
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
谷口 真紀 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (90778606)
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研究分担者 |
ジョーンズ グラハム 滋賀県立大学, 人間文化学部, 非常勤講師 (20815146)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | CEFR |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトは欧州共通言語参照枠(CEFR)を活用して大学生が自ら英語学習の目標を設定し学習意欲を高めていく方法を探究するものである。本研究プロジェクトの最終的な目標は大学生がCEFRを使って目標を自ら立て自主的に、積極的に英語学習にのぞめる教材を開発することである。 3年間のこの研究プロジェクトの初年度であった2018年度の研究の成果は、大学生がCEFRを用いて自分の英語学習の目標を立てることについてどの程度ニーズがあるかを調査することができたことである。研究者2名がともに所属する滋賀県立大学の1回生全員にアンケート調査を行うことができ、500を超える回答を得ることができた。その結果、CEFRを英語学習の目標設定に用いるのは有効であること、CEFRを学生自身が使いこなせる授業や教材の開発が必要であることを見出した。 その分析を詳細にまとめ、海外の学会で発表し、他国の研究者からフィードバックをもらい、研究プロジェクトの大きな収穫となった。CEFRは大学生が学生時代だけに使えるものではなく、生涯にわたって英語という言語とつきあっていく中でも使うに値するものだという見方にたどりつけたことは最大の収穫であった。 そうした発見をへて、研究プロジェクトの2年目には新たな研究活動へのアイデアもわいた。すでに、当初の研究計画にはなかったアクション・リサーチという新たな研究活動をスタートさせた。CEFRは英語教員が活用するためのものではない。学生自身が活用すべきものだという視点からCEFRを研究している点が本研究の独自性である。今後も学生主体のCEFR活用術を編み出していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CEFRは英語教員が活用するためだけのものではなく、学生自身が活用すべきものだという視点からのCEFR研究が本研究の独自性である。学生主体のCEFR活用術を編み出すための3年間の研究プロジェクトの初年度の自己評価はおおむね良好という判断である。 2018年度はニーズ調査を行い、その結果をまとめて論文におこし、海外の学会で発表をすることを目標に取り組んできた。 大学生がCEFRを用いて自分の英語学習の目標を立てることについてどの程度ニーズがあるかを調査することができた。研究者2名がともに所属する滋賀県立大学の1回生全員にアンケート調査を行うことができ、500を超える回答を得ることができた。その結果、CEFRを英語学習の目標設定に用いるのは有効であること、CEFRを学生自身が使いこなせる授業や教材の開発が必要であることを見出した。 その分析を詳細に論文にまとめ、海外の学会で発表し、他国の研究者からフィードバックをもらい、研究プロジェクトの大きな収穫となった。CEFRは大学生が学生時代だけに使えるものではなく、生涯にわたって英語という言語とつきあっていく中でも使うに値するものだという見方にたどりつけたことは最大の収穫であった。 ただし、論文は完成しているものの、学会誌に投稿できていはいない。この点だけがかなわなかったことである。それでも、当初の目標はすべて達成でき、研究計画どおりに研究活動を行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
3年間の研究プロジェクトの2年目は当初の研究計画にはなかった新たな研究活動をスタートさせた。CEFRを活用した授業や教材の開発のために、アクション・リサーチを開始した。研究者2名が所属する滋賀県立大学1回生の実際の英語の授業でティーム・ティーチングを半年間行いなかがら、同時にCEFRを学生が使えるように促す授業を展開する自分たちの実践を振り返る。 もともとは2年目は1年目の調査にもとづいてフォーカス・グループのインタビューだけを行うつもりにしていたが、本研究の最終目標を達成するにはアクション・リサーチを行うほうが有効だと判断した。3年間のプロジェクトの最終課題は、CEFRを活用して生涯にわたって英語学習を継続できる大学生を育む大学での英語学習の教材開発である。 2年目の半年間はアクションリサーチに専念し、その結果を分析して論文にまとめ、海外での研究発表に2回以上参加するつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は研究者2名がそれぞれ2度ずつ国際学会および国内学会に参加するために予算を申請した。つまり、国内外の旅費が合計4回発生するはずだったが、実際に参加したのは国際学会1回のみで、その費用は科研費からではなく研究者が所属する滋賀県立大学の研究費をあてた。そのため、初年度の科研費の収支は0円となった。 参加する予定にしていた学会は研究者で話しあった結果キャンセルすることにした。学会発表を行うことよりも、目の前の研究を深めることを優先したためである。2年目に満足いくまで研究をすすめることができた後、初年度に消化できなかった学会発表も合わせて精力的に行うつもりでいる。
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