研究課題/領域番号 |
18K00882
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
奥切 恵 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (70410199)
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研究分担者 |
竹田 らら 東京電機大学, 工学部, 講師 (80740109)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プレゼンテーション教育 / プレゼンテーションスキル / 高大接続 / インターアクティブ / 英語(言語)教育 / リーダーシップ |
研究実績の概要 |
2019年度には、初年度(2018年度)に収集した日本の大学生のプレゼンテーション動画データを分析し、プレゼンテーションスキルにおいて重要な役目を果たすアイコンタクトについて時間横断的に調査することができた。日本人英語学習者は,5回に及ぶプレゼンテーションを経ても,アイコンタクトを取ることは難しいことがわかった。これは過去のアイコンタクトについての科学的実証研究の結果にも沿うもので、学習者はいざ英語でプレゼンテーションするとなった時、言語自体は英語に変えることができてもアイコンタクトの方法は変えることが難しいということがわかった。この他にも、プレゼンテーションの談話構造を分析し、国際学会にて発表予定である。 小学校、中学校及び高等学校の英語教育についての調査は、都道府県レベルではコミュニケーション能力養成、四技能統合、学習者の主体性、連携、国際理解、グローバル化、ふるさとという7つの英語教育におけるテーマが重要視されていること、さらにはそれよりも小さな地域の市レベルではALTとの連携やイングリッシュ・キャンプといったような、より具体的な取り組みに重点を置いていることがわかった。 海外でのプレゼンテーション教育調査は、カナダのケベック州モントリオールにおける言語教育について、モントリオール大学の3名の教員にインタビュー調査を実施することができた。この調査により、英語とフランス語におけるプレゼンテーション教育では、言語による談話構造の違いを学習者に気づかせる必要があること、また言語と非言語コミュニケーションの両方がプレゼンテーションスキルにおいて重要視され、プレゼンターとしての立場を明確にすることが良いプレゼンテーションにつながると考えている教員が多いことがわかり、今後の教育の示唆が得られた。 さらに、日本語と英語の談話構造の違いを掘り下げ、本の執筆・編集をすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は、初年度(2018年度)に1年間にわたって収集した日本の大学生のプレゼンテーション動画データを分析することにより使うことができても、アイコンタクトといったような非言語コミュニケーションの方式は変えることが難しいということがわかった。プレゼンテーションの言語使用については、談話構造を分析し、日本人英語学習者の傾向を掴むことができた。 小学校、中学校及び高等学校の英語教育についての調査は、コミュニケーション能力養成、四技能統合、学習者の主体性、連携、国際理解、グローバル化、ふるさとという7つの英語教育におけるテーマが都道府県と市区町村の両方のレベルで重要視されていること、と小さな地域のレベルでは具体的な取り組みに重点を置いていることがわかった。 海外でのプレゼンテーション教育調査においては、オーストラリアでのプレゼンテーションデータはまだ収集していないが、カナダのケベック州モントリオールにおける英語とフランス語というバイリンガルの環境においての言語教育について、3名の教員にカナダやケベック州での初等・高等教育におけるプレゼンテーション教育についてインタビュー調査を実施することができた。この調査により、現地での英語とフランス語におけるプレゼンテーション教育での共通点や相違点を知ることができた。主な分析結果としては、言語による談話構造の違いを学習者に気づかせる必要があること、また言語と非言語コミュニケーションの両方がプレゼンテーションスキルにおいて重要視され、プレゼンターとしての立場を明確にしそれを演じることでより良いプレゼンテーションにつながると考えている教員が多いことがわかった。これは日本での高校と大学での英語教育における課題にも大いに反映・応用でき、教育に資する結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は日本人英語学習者による英語プレゼンテーションのミクロレベルでの談話構造についてInternational Association of Applied Linguisticsにて、日本の英語教育における学習者の言語学習方法とその教育の方向性について日米教員養成協議会にて二つの国際大会で発表予定であったが、新型コロナウイルス感染防止のため両学会が2021年度に延期された。 また2020年5月にThe Japan-U.S. Teacher Education Consortiumに参加し、研究発表及びアメリカの高校の授業参観の予定であったが、こちらも新型コロナウイルス感染防止のため2021年度に延期された。 初年度と2019年度の研究結果から、今後も言語間によるプレゼンテーションの違いについて、談話的分析を継続する必要性を確認できたので、オンラインで入手できるプレゼンテーション動画などをはじめとして、英語と日本語における談話構造の違いもさらに検討する。 この他、日本と海外での初等教育と高等教育におけるプレゼンテーション教育について、インタビューデータを収集する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度はカナダケベック州への出張でインタービューデータ収集を実施できたが、旅費と宿泊費は大学の出張費で賄うことができたため、経費を抑えることができた。
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