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2021 年度 実施状況報告書

言語横断的視座によるリテラシーとアイデンティティの相互発達に関する縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00894
研究機関立命館大学

研究代表者

根本 浩行  立命館大学, 文学部, 教授 (40452099)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード言語横断的視座 / アイデンティティ / リテラシー
研究実績の概要

今年度は、当該課題における縦断的研究の最終段階として、大学在学中に英語圏の大学で一年間の交換留学を経験した研究対象者の就職後の追跡調査を行い、キャリア形成との関連性から言語横断的リテラシーとアイデンティティ発達過程を考察した。特に、インタビューや記述式アンケートを用いて具体的な事象を捉え、言語横断的リテラシーとアイデンティティがグローバル社会における雇用適性を高める上でどのような効果をもたらすかを検証した。コロナ禍で研究調査を実施する機会が制限され、当初の予定通りに追加データを収集することはできなかったが、その一方で過年度のデータ分析を進め、社会文化理論に言語横断的視座を融合した研究枠組みを活用し様々な事象の考察を深めることができた。また、この研究枠組みに新たなデータ分析基準を追加し、認知過程と社会文化的過程の相乗効果に関する探究を進めた。さらに、オンライン学会や研究会などに参加し理論的知識を深める傍ら、次年度に向けデータの収集方法を練り直し、新たな調査計画を策定した。現在分析中のデータは、ヨーロッパの研究者たちとの共編書にて発表する予定で、担当章の執筆とともに、各章の編集作業を進めている。また、今年度は、他者との利害関係を調整するための言語行動に焦点を当て、リテラシーとアイデンティティの言語横断的発達を考察した。その結果をまとめた単著論文をNekula, Sherman, Zawiszova編「Interests and Power in Language Management」で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度に引き続きコロナ禍の影響で研究調査を実施する機会が制限され、予定通りにデータを収集することができず、雇用適性と言語横断的能力に関する分析にも支障をきたした。また、今年度はオンライン学会や研究会などで理論的知識の構築に努めたが、昨年度同様、対面での国際学会は中止、延期となったため、他の研究者と意見交換をする機会を十分に得ることができなかった。

今後の研究の推進方策

今年度新たに策定したデータ収集計画をもとに、社会人となった研究対象者の追跡調査を継続し、2021年度に収集が不十分であったデータを補足する。また、追加データと過年度の分析データを照らし合わせて縦断的分析を進め、国際学会でこれまでの研究結果を発表する。そのうえで、研究結果の理論的考察を深め、共編書の出版に向けて各章の編集作業を進める。

次年度使用額が生じた理由

(理由)コロナ禍の影響で研究調査を実施する機会が制限され、データ収集を予定通り進めることができず、研究調査費を次年度に繰り越すことになったため。また、参加予定であった国際学会が中止、延期となり、予定していた海外出張費と学会参加費を執行できなかったため。

(使用計画) 研究調査費、国際学会の参加費、海外出張費、2022年度に新刊となる書籍の購入などに充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] プラハ大学(チェコ)

    • 国名
      チェコ
    • 外国機関名
      プラハ大学
  • [雑誌論文] The investment in managing interests and power through study abroad: Literacy and identities from a translingual perspective2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nemoto, Marek Nekula, Tamah Sherman, Halina Zawiszova
    • 雑誌名

      Interests and Power in Language Management

      巻: ー ページ: 267-292

    • DOI

      10.3726/b19351

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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