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2022 年度 実施状況報告書

言語横断的視座によるリテラシーとアイデンティティの相互発達に関する縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00894
研究機関立命館大学

研究代表者

根本 浩行  立命館大学, 文学部, 教授 (40452099)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードポスト構造主義 / 言語横断的視座 / アイデンティティ / リテラシー
研究実績の概要

今年度は、大学在学中に英語圏の大学で一年間の交換留学を経験し社会人となった研究対象者にインタビューと記述式アンケートを実施し、グローバル社会における雇用適性と言語横断的リテラシー・アイデンティティに関する質的データを収集した。ここ数年コロナ禍で遅延していた追跡調査を本格的に再開するとともに、ポスト構造主義、社会文化理論および言語横断的視座の変遷を精査した上で本研究の位置づけを再考し、新規データと過年度のデータを照らし合わせて縦断的分析を進めた。分析結果は研究対象者に文書で報告し、研究者側の解釈と研究対象者の見解に齟齬が生じていないか確認を求める一方で、さらなる自己省察を促し、新たな評価・意見を引き出すことにより、補足的データを収集した。また、自己認識と他者認識を左右する規範の存在に着目し言語行動と言語に対する行動を検証することで、認知的、社会文化的研究アプローチの相補性を高め、新たな理論的考察を加えることができた。オンラインでの参加となった国際社会言語学会と対面参加したニュージーランド・オーストラリア応用言語学会でこれらの研究結果を発表し、研究の妥当性を確認するとともに海外の研究者と意見交換を行った。また、年度の終わりにかけて国内の研究会、シンポジウムでも対面参加が可能となり、最新の研究動向に関する議論を深めることができた。本研究の最終的な研究成果はドイツのPeter Lang社より刊行となる共編著で発表する予定である。今年度は研究結果の理論的考察を深めた上で、担当章を加筆修正する傍ら、ヨーロッパの研究者とともに各章の編集作業を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度までコロナ禍の影響で研究調査を実施する機会が制限されていたが、今年度は追加データを収集し、雇用適性と言語横断的能力に関する分析を進めることができた。また、オンライン学会や研究会などで理論的知識の構築に努めるとともに、ニュージーランド・オーストラリア応用言語学会では対面で研究成果を発表し、数年ぶりに海外の研究者と忌憚のない意見交換をすることができ、考察を深めることができたため。

今後の研究の推進方策

研究対象者の追跡調査を継続し、追加データを収集する。そのうえで、これまでの縦断的調査で収集したすべてのデータを多角的に分析し、理論的考察を深めた上で、研究結果を論文にまとめ国際的に発信する。また、国際学会に参加し、最新の研究動向に関する資料を収集し、本研究のデータと照合することで研究成果の更なる発展に努める。

次年度使用額が生じた理由

(理由)コロナ禍の影響でまだ収集できていないデータがあり、研究調査費を次年度に繰り越すことになったため。また、予定していた海外出張費と学会参加費を執行できなかったため。
(使用計画) 研究調査費、国際学会の参加費、海外出張費、2023年度に新刊となる書籍の購入などに充当する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] カレル大学(チェコ)

    • 国名
      チェコ
    • 外国機関名
      カレル大学
  • [学会発表] Exploring translingual literacy and identities from a language management perspective2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nemoto
    • 学会等名
      3rd International Conference on Sociolinguistics
    • 国際学会
  • [学会発表] Negotiating translingual literacy and identities through the post-study abroad career development2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nemoto
    • 学会等名
      ALANZ-ALAA-ALTAANZ Conference 2022: Applied Linguistics in the Asia-Pacific Region
    • 国際学会
  • [学会発表] 接触性に起因するリテラシーとアイデンティティ:言語横断的視座からの考察2022

    • 著者名/発表者名
      根本浩行
    • 学会等名
      言語管理研究会
  • [図書] 多文化理解のための国際英語文化入門2022

    • 著者名/発表者名
      ウェルズ恵子編著、根本浩行、マイケル・ジェームズ・デービス、岡本広毅、山本めゆ、坂下史子、水島新太郎、小川真和子、薩摩真介、杉村美奈、久屋愛実、佐野愛子、マシュー T. アップル
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      丸善出版

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公開日: 2023-12-25  

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