本研究では、言語産出局面における語用論的・修辞的調整に焦点をあて、TILT(言語教育における通訳翻訳訓練技法)を導入することで、語用論的・修辞的調整も加えて訳出言語で表現することを可能にするための教授法を検討した。そのためには、文法訳と語用論的翻訳という2段階の翻訳を導入する必要があり、学習者は徐々に文脈を考慮した異文化媒介翻訳を意識するようになった。さらに、「飽和化」・「アドホック概念構築」などの語用論的操作を安定的に行えることも明らかとなった。また、字幕編集するすることで、コミュニケーション機能や意識し、「省略」・「言い換え」・「格関係の変化」の3つの方略を安定的に使用することも分かった。
|