研究課題/領域番号 |
18K00896
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
服部 圭子 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30446009)
|
研究分担者 |
酒勾 康裕 近畿大学, 国際学部, 准教授 (00510497)
高橋 朋子 近畿大学, 語学教育センター, 准教授 (30635165) [辞退]
武知 薫子 近畿大学, 医学部, 講師 (90724865)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | グローバル人材育成 / 大学留学プログラム / 長期韓国留学 / 事前・事後研修 / EQ / 質的研究 |
研究実績の概要 |
本研究は「グローバル人材」の普遍的要素を見いだし留学前後の教育プログラムへの貢献を目指す。対象は韓国への1年間の長期留学生とし、留学中の異文化体験を通した学びや気づきの変容、トラブルや摩擦の解消について、留学レポートや帰国後のインタビューから質的に観察・分析する。また、留学前後のアンケートを通して、心の知能指数といわれる感情知性EQ(Emotional Intelligence Quotient)の変化から意識の変容を質的にも分析し、留学を希望しない学生との変化も比較した。 本年度は第3期の学生の帰国後のアンケート、第4期の学生への留学前アンケートを実施した。そして第3期の学生への帰国後インタビューを実施する予定だったが、コロナ禍の影響で、これまでに行っていた対面でのインタビューを暫く中止せざるを得なかった。令和2年度後半には、学生たちがオンラインのツール利用に慣れたこともあり、ZOOMを用いたインタビューを開始するための資料を準備した。 また、質的分析を遂行するための資料となるよう、主に量的分析に焦点を当て、海外研修に参加した学生を調査対象群に、海外研修に参加しない学生を比較対照群として同一の調査を実施し比較した。そして、留学前後の学びの検証に対し、海外での経験が学業成績以外の心的な成長におよぼす効果・影響を因子分析によって検証する方法論、つまりEQを尺度として用いた量的研究と質的研究のmixed method(混交研究法)手法を提案し、それを論文として発表した。 帰国後も依然として「外国の人とコミュニケーションをとる不安」が存在するという結果や、留学先の韓国の教員やスタッフへの聞き取り調査から得た情報をもとに、今後の留学プログラムや事前・事後研修プログラムの方向性について議論した。具体的には、今後、データ分析を深め、事前・事後研修で利用可能な教材開発を進めて行くための準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度は大きくコロナ禍の影響を受けた。留学3期生への帰国後インタビューの実施が困難となった。また海外での国際学会発表も予定していたが延期になった。さらなるデータ収集および分析を進める必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
大学の授業などを通してZOOM利用が浸透し、調査者も被験者もそれらを活用することができるようになったため、留学3期生を対象とした対面ではないインタビューを進める。そして、留学4期生に関する資料収集を進める。 一方で、これまでのインタビューデータの文字化を急ぎ、それらに加えて、これまでのアンケートや留学レポートを整理する。最終的には、事前・事後研修に利用可能な教材の提案を目指す。国内外の学会や学会誌で成果報告を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
感染症の流行(コロナ禍)の影響により、研究を予定通り進めることができなかった。また、海外の国際大会も延期になったため、参加することができなかった。翌年分として請求した助成金は、延期された国際大会への参加や、対面ではできなかった謝金を伴うインタビューとそのデータの文字起こしなどに使用する予定である。
|