研究課題/領域番号 |
18K00897
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
越山 泰子 関西国際大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00515679)
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研究分担者 |
伊藤 創 関西国際大学, 基盤教育機構, 准教授 (90644435)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 留学 / 外国語学習観 / 外国語学習行動 |
研究実績の概要 |
日本人学生の語学力向上が叫ばれる中、多くの教育機関でさまざまな海外留学プログラムが実施され、留学形態は多様化の一途を辿っている。こうした中で、語学力の向上を主たる目的としない留学プログラムも数多く見られるようになってきているが、これらのプログラムでは、その性質上、語学学習上の効果検証は行われないことも多い。海外留学を効率よく語学力向上のために活用するには、留学前、留学中の学習に加えて、留学経験がプログラム終了後も継続的な学習につながってっていることか不可欠である。外国語習得について は留学期間のみに過大な期待がなされる場合が多いが、実際は留学後の時間を含めて多くの時間を 要して初めて成功につながるものである。本研究では、多様な留学経験が、留学直後、及び半年後の 「外国語学習観」「外国語学習行動」の変化にどのように貢献するか、さらには「外国語学習観」 のどの因子が「外国語学習行動」を規定するかについて明らかにするために次のデータを収集する目的でアンケート調査を実施した。①「外国語学習観」に関するデータ:1)言語学習能力、2)外国語学習の難しさ、3)外 国語学習の特質、4)学習・コミュニケーション方略、5)動機付け、②各海外プログラムの取り組み状況に関するデータ:留学先、留学形態、期間、現地での活動や、 外国語使用頻度、交流の実態、宿泊先(ホームステイ)など、③「外国語学習行動の状況」に関するデータ:長期的な学習行動の変化を捉えるために、外国語学習の頻度や、語学学習書の購入、外国人との交流など 対象者は、研究者らが所属する大学で実施されている「サービスラーニング」「フィールドスタディ」を目的とした短期留学プログラムに参加した学生約300名である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
留学前、留学直後、留学帰国後半年後に実施するアンケートを作成し、パイロットテストを実施した後、実際のデータ収集を開始した。事前と直後については、それぞれのプログラム担当教員に協力を依頼し、事前学習、および事後学習の教室でアンケートを実施した。6ヶ月後の事後アンケートについては、ウェブで実施した。留学プログラムは、夏学期と冬学期に実施されるために、2018年度の夏学期プログラムについては、ほぼデータが収集し終わっている。2018年度冬学期については、事後学習において直後のデータをほぼ撮り終えた段階である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、まず揃っている70名の夏学期プログラムの一部データのみを分析し、参加者の語学学習に対する傾向と特性について検証してみる。2018年度の冬学期プログラムの半年後データを収集するのが、8月、9月ごろになる。その時点では、約250から300名のデータが集まる。冬学期プログラムのデータが揃った段階で、事前、事後、6ヶ月後という経年変化について分析を行う。また、語学学習を目的とした留学プログラムのデータも収集し、そうでない今回対象のプログラムと比較することによって、外国語学習観や外国語学習行動の変化と留学の関係について系統立てて検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
30年度は紙面やウェブでのアンケートの作成からデータ収集を中心に行ってきたが、本年度は収集したデータの分析や発表、及び別のデータの収集のために本学以外の大学にも広く要請が必要となる。また、データの分析やまとめ方についての情報収集もさらに必要であり、同じような研究をしている研究者との交流のための学会への出席や書籍の購入も必要となるため。
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