研究課題/領域番号 |
18K00900
|
研究機関 | 関西外国語大学短期大学部 |
研究代表者 |
仲川 浩世 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (70571595)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 英語ライティング / 協同学習 / 学習支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、対象をコミュニカティブな英語の授業を苦手とする初級レベルの短期大学生、大学生に限定し、第二言語ライティング学習における修正フィードバック支援のあり方を理論的に考察するとともに、学習者主体の授業形態を根本的に変えた、教員主導型の指導モデル「ライティング協同学習支援法」を構築し、その実践の効果について検証を行うことである。具体的には、調査協力者の指導前後のライティング能力の発達と意識の変容を明らかにする。平成30年度は指導モデルを構築するために、第二言語ライティングと第二言語習得論における修正フィードバック研究のレビューを考察し、その理論的背景をまとめて、研究ノートを執筆した。さらに、学習意欲に問題を抱えた短期大学生を対象に、自由記述やアンケート調査を実施して、学習者の問題点を探った。そして、これらの予備調査を踏まえて、ライティング指導モデルの構築に努めた。さらに、ライティング指導における修正フィードバック支援を授業内に提供し、その成果を研究発表、紀要論文として報告した。その際に、調査協力者のライティングや自由記述の回答はすべて匿名とし、個人情報とプライバシーに十分配慮することを心がけた。本研究の意義は、対象をグループワークが苦手な不安感の強い学習者に設定し、教員のフィードバック支援と協同学習を組み合わせた指導モデルを通して、最終的には自律した学習者の育成を目指すということである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は第二言語ライティングと第二言語習得論の修正フィードバック研究の理論の考察と予備調査として、学習意欲に問題を抱えた学習者の問題を探り、実践研究としてその成果を研究発表、紀要論文として執筆した。したがって、概ね本研究の進捗は順調であると考えられる。残りの2年間で、さらに理論と実践の統合を目指し、学習意欲の低い学習者のための、教育的に意義のある研究を目指す。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年、5月2日にクロアチアで開催される国際大会、Language in Focusにおいて、昨年度までに実施した研究成果を発表する。研究発表の内容については、論文あるいは報告書として、執筆する予定である。さらに、今年度も、引き続き、国内外の研修や学会に参加をして、最新のフィードバック理論と実践の統合について修得し、レビュー作成や論文の執筆に取り組む。また、可能であれば、2019年度秋学期から、構築したライティング指導モデルの実践を行い、その成果を来年度の国内外の学会で発表できるようにデータ収集、分析を行う。万一、研究計画が必要とされた場合は、日本人学習者の1) 動機づけ減退 と 2) ライティングの誤り分析の2点に焦点を当てて、研究を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初、予定していたアメリカでの国際学会の研究発表を翌年度に延期し、ニーズアナリシスや文献収集を重点的に行ったため、出張旅費分の残額が生じた。そのため、今年度以降は、予備調査の結果を踏まえて、研究発表や論文の執筆を予定している。
|