研究課題/領域番号 |
18K00900
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研究機関 | 関西外国語大学短期大学部 |
研究代表者 |
仲川 浩世 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (70571595)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 英語ライティング / 協同学習 / 学習支援 / 教材 / 課題 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、対象をコミュニカティブな英語の授業を苦手とする初級レベルの短期大学生、大学生に限定し、第二言語ライティング学習における修正フィードバック支援のあり方を理論的に考察するとともに、学習者主体の授業形態を根本的に変えた、教員主導型の指導モデル「ライティング協同学習支援法」を構築し、その実践の効果について検証を行うことである。具体的には、調査協力者の指導前後のライティング能力の発達と意識の変容を明らかにすることを目的とする。その際に、調査協力者のライティングや自由記述の回答はすべて匿名とし、個人情報とプライバシーに十分配慮することを心がけた。本研究の意義は、対象を不安感の強い学習者に設定し、教員のフィードバック支援と協同学習を組み合わせた指導モデルを通して、最終的には自律した学習者の育成を目指すということである。2019年には、指導モデルを用いた実践研究の成果を2つ発表した。まず、Language in Focus(2019年5月クロアチア)にて、日本人疑似初心者を対象に指導モデルを用いた学習者のライティング能力の発達について報告した。また、JAAL in JACET(2019年11月東京、高千穂大学)で実践前後の意識の変容に基に教材開発の可能性について発表し、教育的示唆を考察した。そして、この2つの発表を参考とし、論文を執筆し、ジャーナルやプロシーディングズに投稿した。あいにく、2020年3月採択済みのRELC(シンガポール)は新型コロナウイルス感染拡大のため、翌年2021年に延期となってしまい、未だ事態の収束の見通しは立っていない。したがって、今年度は、論文の執筆に重点を置いた研究活動を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 2019年度は構築した指導モデルの実践研究の成果を国内外の大会で発表し、ジャーナルに投稿、掲載された。したがって、概ね本研究の進捗は順調に進展している。しかしながら、2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大による休校、学会の延期により、データ収集、研究発表の見通しも立たない。よって、すでに当初予期してはいなかった状況となっているため、論文の執筆に焦点を当て、対象レベルの学習者向けのオンライン教材作成を試みたいと思う。
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今後の研究の推進方策 |
2020年4月、研究代表者は前職、関西外国語短期大学部から大阪女学院短期大学へと移ったばかりである。また、今年度、博士論文の出版をすべく、『研究成果公開促進費「学術図書」』に応募する予定である。さらに、現状では、新型コロナウイルス感染拡大の悪化に伴って、オンライン授業が求められている。このようなことから、「授業外課題における学習者支援」を念頭に置いた論文の執筆活動を現在のところ検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外における学会がキャンセルとなった。また、今年度も既に採択されていた、学会が延期や中止となっている。そのため、オンライン授業に向けた新たな研究の可能性を考慮し、機器の購入などを計画している。また、そこから得らえるデータを基に分析をして、論文として執筆するためのSPSSなどの統計ソフトが必要である。
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