本研究の目的は、日本人大学生を対象に第二言語ライティング学習における修正フィードバック支援のあり方を理論的に考察するとともに、実践の効果について検証を行うことである。特に、調査協力者のライティング能力の発達と意識の変容に着目し、分析を進めた。その際に、ライティングや自由記述の回答はすべて匿名とし、個人情報とプライバシーに十分配慮した。本研究の意義は、教員のフィードバック支援と協同学習を備えた指導モデルを通して、自分で目標を設定し、学習方略を選択する自律した書き手の育成である。当初は、2018年度~2020年度までの3年計画であったが、新型コロナウイルス感染拡大により、1年間延長をした。そして、最終年度である2021年度は、オンライン上にて4つの研究発表に臨んだ。まず、2020年開催予定であったが、延期となったSociolinguistics Symposium 23 国際大会 (2021年6月) にて、ライティングに対する苦手意識のある学習者を対象とした課題の効果を論じた。また、第52回中国地区英語教育学会(2021年6月)では、協同学習とフィードバック支援を用いたライティング能力の発達について考察した。さらに、カナダ日本語教育振興会 2021年次大会(2021年8月)では、日本とカナダの大学生のEメール交換プログラムを実施し、学習者の自由記述アンケートの分析結果を報告した。最後にATEM(映像メディア英語教育学会)第26回国際大会(2021年11月)にて、ディズニー素材を活用した学習意欲向上のための実践を発表した。そして、本研究総括となるライティングのフィードバック支援に関する論文を出版した。一方、研究分担者はICTと動機づけに焦点を当てて論文を執筆し、その成果を発表した。
|